病気と予防
■主な病気と予防
WHO(世界保健機関)の調査によれば、フィリピンが属する熱帯気候地帯でかかる主な病気には、「マラリア」、「デング熱」、「A型肝炎」、「B型肝炎」、「C型肝炎」、「赤痢」、「腸チフス」、「コレラ」などがあります。上記以外にも「狂犬病」も要注意です。
また、急性症状が軽いため注目を引きませんが、寄生虫による疾患も多く、帰国後数年を経て発病する場合もあるので注意が必要となります。
これらの病気は、十分な知識と心得があれば、相当程度予防する事が可能となります。予防の知識を深め、健康に充分気を配り、快適なフィリピン生活を送りましょう。
■フィリピンで注意したい主な病気と予防
- マラリア (Malaria)
- デング熱 (Dengue Fever)
- コレラ (Cholera)
- 呼吸器感染症 【風邪・インフルエンザ】
- 消化器感染症 【食中毒など】
- 狂犬病 【hydrophobia】
| マラリア(Malaria) | |
| マラリアには4種類あり、フィリピンで見られるものは、熱帯熱マラリア(Malaria Falciparum)と三日熱マラリア(Malaria Vivax)です。フィリピンでは、雨季のパラワン島や、ミンダナオ島でよく見られる病気で、マニラ首都圏、セブ島、ボホール島ではありません。 | |
| 感染ルート | ハマダラカに吸血されることによって感染する。マラリア原虫を持つ蚊に吸血され、ヒトの体内にマラリア原虫が侵入する。 |
| 症状 | 一定の潜伏期間の後、突然、40℃近い高熱にみまわれ、悪寒、震えとともに体がぶるぶる震えだし2時間くらい続く。その後悪寒は消えるが、体温はさらに上昇し、顔面紅潮、呼吸切迫、結膜充血、嘔吐、頭痛、筋肉痛が起こり、これが4~5時間続くと発汗し解熱する。 ・三日熱マラリア(Malaria Vivax):潜伏期間は14日程度。発作熱の間隔は48時間ごと。 ・熱帯熱マラリア(Malaria Falciparum):別名「悪性マラリア」と呼ばれ、治療が遅れると高率に死亡する大変怖い病気。潜伏期間は12日程度。他のマラリアとは異なり高熱が持続する傾向にあり、平熱まで下がる事は殆ど無い。症状も重く治療が遅れると意識障害、腎不全などを起こし、死亡する事もまれではない。 |
| 対策 | 防虫スプレーや防虫クリームを使用したりし、蚊に刺されるのを防ぐ。マラリアを媒介する蚊は日没から日の出に活動する為、流行地では夜間は避ける。また、内服薬による予防という方法もある。 |
| デング熱 (Dengue Fever) | |
| アジアや太平洋諸島など熱帯・亜熱帯地域に広く分布するウィルスによって引き起こされる感染症で、3年周期で大流行があるといわれ、大流行の翌年には、患者数が大きく減ると知られています。マラリアと異なり、デング熱を媒介する蚊(ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ)は空き缶などに溜まった水や竹の切り株に溜まった水でも発生するために、都会で流行することも多くなっています。 | |
| 感染ルート | ネッタイシマカという蚊によって感染する。 |
| 症状 | 5~6日の潜伏期間(蚊に刺されてからウィルスが体内で増えるまでの期間)後、38℃~40℃の高熱、激しい頭痛、関節痛、発疹が1週間ほど続く。この発疹は風疹と同じように小さい紅斑で、痒みや痛みはない。また、軽い皮下出血が足腿部や手のひらに発熱期の最後や解熱後に現れる。 |
| 対策 | ママラリアに対するクロロキンなどの予防薬もないので蚊に刺されないようにすることが唯一の予防法。 |
| コレラ (Cholera) | |
| 現在のコレラはエルトールコレラと呼ばれるもので、1961年頃からアジア地域で発生。1960年頃まで流行したクラシカルコレラに比べ病原性が弱く、死亡率も2%程度といわれている。栄養状態の良い日本人の場合は胃腸の弱い人、老人、乳幼児を除けば死亡することはほとんどないが、感染力は強いため油断はできない。 | |
| 感染ルート | コレラ菌に汚染された水・氷・食品などを摂取することにより感染する。 |
| 症状 | 1~5日、通常1~3日の潜伏期間の後、下痢や嘔吐などが起こる。クラシカルコレラでは米のとぎ汁様の水様便と表現されていましたが、現在流行しているエルトールコレラでは、これを見ることは極めてまれで、症状は比較的軽く、軟便程度から水様便まで幅広い下痢が主。嘔吐を伴うこともあるが、腹痛や発熱を伴うことはほとんどない。 |
| 予防 | 生水・氷・生の魚介類(刺身・エビなど)は避けること。ジュースなどに入れてある氷や氷の上に飾られていたカットフルーツで感染した例やプールの水を誤って飲んで感染した例も報告されています。予防接種もありますが、効果は比較的低く50%程度であるといわれています。不衛生な食品・生の食品などを避けることがまず重要なことですが、無理な旅行日程などによって体調を崩すことがないよう心掛けることも大切です。健康であれば人間には基礎的な抵抗力がありますので、少々病原体が体内に侵入しても発病することは少ないからです。 |
| 呼吸器感染症 【風邪・インフルエンザ】 | |
| 風邪などの呼吸器感染症は、雨期に多くなる。呼吸器感染症の1つであるインフルエンザは、7月から9月にかけて多くみられる。 | |
| 感染ルート | 飛沫感染:咳やくしゃみをした際に移る。 接触感染:ウイルスが付着したドアノブや手すり、電車のつり革などに触れた手で鼻を触ったり、握手やキスなどで直接触れる事によって感染。 |
| 症状 | 1~5日、通常1~3日の潜伏期間の後、下痢や嘔吐などが起こる。クラシカルコレラでは米のとぎ汁様の水様便と表現されていましたが、現在流行しているエルトールコレラでは、これを見ることは極めてまれで、症状は比較的軽く、軟便程度から水様便まで幅広い下痢が主。嘔吐を伴うこともあるが、腹痛や発熱を伴うことはほとんどない。 |
| 予防 | 風邪やインフルエンザの予防は、風邪のウイルスは手によって運ばれることから、手洗いが予防の基本。食事の前、外出から帰った時などは、きちんと手を洗いましょう。手洗いには、石鹸を使ってください。インフルエンザは、予防接種である程度妨げる病気です。日本では11月から12月頃が、インフルエンザ予防接種の時期ですが、フィリピンで生活される方は、5月、6月が接種時期。 |
| 消化器感染症 【食中毒など】 | |
| 湿気や気温の高い雨期(5月~9月)は、食中毒にも中止が必要。これは、日本で梅雨に食中毒が増えるのとよく似ている。 | |
| 感染ルート | 食中毒の70~80%は、細菌性食中毒です。 細菌に汚染された食品を口にすることで、生きた菌自らが食中毒を引き起こすもの。腸管にたどり着いた菌が腸管内でさらに増殖し、腸管組織に侵入して組織を壊し、炎症を起こします。この結果、腹痛や下痢などの症状が現れ、ひどくなると血便が出ることがある。 |
| 症状 | 1~5日、通常1~3日の潜伏期間の後、下痢や嘔吐などが起こる。クラシカルコレラでは米のとぎ汁様の水様便と表現されていましたが、現在流行しているエルトールコレラでは、これを見ることは極めてまれで、症状は比較的軽く、軟便程度から水様便まで幅広い下痢が主。嘔吐を伴うこともあるが、腹痛や発熱を伴うことはほとんどない。 |
| 予防 | 食中毒予防の基本は、食中毒菌を「付けない・増やさない・殺す」です。新鮮な食材を使って。きれいな調理器具ときれいな手で調理しましょう。生ものには充分火を通し、熱いものは熱いうちに食べてください。食事の前には手を洗うようにこころがけてください。 |
| 狂犬病 【hydrophobia】 | |
| 狂犬病ウイルスは日本ではほぼ撲滅されたが、海外ではいまだ過去の病気ではなく社会的に深刻な感染症の1つ。狂犬病は犬、猫その他の野生動物から感染する病気で、症状としては恐水発作(hydrophobia)が有名です。発症するとほぼ100%、死亡する。 | |
| 感染ルート | 主に噛まれることから感染しますが、ほかにも舐められたり、動物のくしゃみなどからも感染する。コウモリが空から飛散して感染するケースもあるため、動物に接しないからといっても安心はできない。 |
| 症状 | 潜伏期間は1~2ヶ月ととても長く、潜伏期間は診断する術がありませんが、疑わしい場合はこの間に治療を始めなくてはなりません。前駆症状としては、悪寒、熱、疲れなど。急性期では、水を飲もうとしたり冷たい空気にさらされると異常なケイレンをおこす発作がおこる恐水病(hydrophobia)になります、。また音に敏感に反応したり、唾液が口からたれるといった症状がみられ、やがて呼吸が止まります。 |
| 予防 | 発症してしまってからの治療は全く期待できないため、予防接種が最も大切です。 最良の予防法は、日本国内と同じ感覚で現地の動物に手を出さないようにすることが重要です。 |













