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第十二回ビジネス烈伝/クロスコープ・フィリピン 庄子素史さん
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日本品質のレンタルオフィスで、日本企業のフィリピン事業立ち上げを支援

庄子素史さん

【プロフィール】
 
クロスコープ・フィリピン 責任者
 
庄子素史さん
 
1974年宮城県仙台市生まれ。妻と娘2人の4人家族。大学卒業後、(株)オリエンタルランドに入社し、約8年間、テーマパークの営業企画やマーケティングに従事。東京ディズニーシーのブランディングや事業開発も担当。その後、大手経営コンサルティング会社、ITベンチャー企業を経て、現職。

 

日本企業の海外進出を支援しようとシンガポール、ジャカルタ、デリー、ホーチミンに展開している日系最大規模のレンタルオフィ ス「クロスコープ」。4月のマニラ開業を前に、現地法人クロスコープ・フィリピンで責任者を務める庄子素史さんに、フィリピンでの事業展開についてお話を伺いました。
 
編集部●東京都心で事業展開していたクロスコープが海外に進出した背景を教えてください。
 
庄子さん●東京のクロスコープの顧客からは、上場や大規模なバイアウトに成功したベンチャー企業が何社も生まれました。一方で、現在は日本市場の縮小や様々な閉塞感、グローバル化の波による価格競争の激化などの理由から、多くの日本企業は海外進出を迫られています。今や大企業のみならず、中小の部品メーカーや食品メーカー、飲食業、ITベンチャーも例外ではなく、海外未経験ながら海外進出を模索する企業が急増しています。私達は、日本で10年間培ってきたレンタルオフィスの運営ノウハウを強みに、海外進出する日本企業の立ち上げを支援していきたい、と2011年のシンガポールを皮切りに、東南アジア各地に展開してきました。
 
編集部●実際に海外展開した上で感じたことはありますか?
 
庄子さん●まず、日本ではスピーディに障害もなく進むことが、海外ではそうはいかないことを体感しました。例えば、会社設立するにしても、日本にいたら考えたこともなかった外資規制に阻まれますし、現地ローカル取締役の人数や従業員数などの規制、最低資本金など、多くの課題があります。設立に時間がかかるのも問題です。更に、私達は商売柄、オフィス選びからスタートしますが、どこの国も高度成長まっただ中のためオーナーが非常に強気で、賃借交渉にスキルを求められます。内装や通信インフラを担当していただける会社も、日本の大手企業か現地のローカル会社しかなく、コストを優先して現地の会社に依頼すると、見積もりや設計、施工監理に多大な時間とストレスがかかります。立ち上げ責任者は、営業や製造のプロフェッショナルであることが多いと思いますが、会社設立や会計・税務の整理、人材採用と労務管理、オフィスのセットアップなど、幅広 い業務に対応しなければならず、主目的の営業や技術指導、工場の選定が後回しになるケースも多々あります。
 
編集部●フィリピンには2013年4月に開業しますが、既に進出している各国では、どのような業種の企業が利用しているのでしょうか?

庄子素史さん

庄子さん●最も多いのはやはり製造業です。特に中小の部品メーカーや機械メーカーの進出が目立ちます。大手自動車や家電メーカー、半導体商社などがインドネシア、ベトナム、タイ、インドなどに工場を構え、現地調達することで価格競争に勝とうとしているなか、彼らもいち早く現地に工場を構え、若く低廉、かつ豊富な労働力を活用した上での価格帯で納品することを余儀なくされています。更に、インドネシアやベトナム、タイでは常に最低賃金の値上がり傾向が継続しているため、更に価格競争力のある場所への進出を模索している状態にあります。また、製造業以外では地方の食品メーカーや飲食業の進出も目立ちます。これまでフィリピンでは飲食業は個人営業が主体でしたが、ようやくFCやJV形式で大手飲食業が進出を開始しました。

こちらは市場規模が直接的に売上に跳ね返ってくる業界ですから、日本の少子高齢化の縮小均衡から、平均年齢20代で消費欲旺盛な東南アジア市場に進出してくるのは当然の流れでしょう。既にフィリピン進出を計画している飲食業の方からの相談が寄せられています。IT企業も、クロスコープ全体で見ると30%近くを占めています。サービス展開を企画する企業と、オフショア開発拠点の設立を目指す企業の割合は同じくらいではないかと感じています。ただ、これらのベンチャー企業は意思決定が速いため、あまり大きな規模ではない企業でも、一定のポジションを先行者利益で確保していますね。
 
編集部●フィリピンを次の開業地に選んだ理由は何でしょうか?
 
庄子さん●インドネシアやベトナム、タイと比較した場合、まだ外資の進出は少ないです。業種はBPOや一部の製造業と限定的ではありますが、1億人近い人口と平均年齢24歳の人口ボーナス、若年層を中心とした旺盛な消費欲、英語力が高い人材が豊富、という好条件が揃っています。さらに、クリーンなイメージを定着させつつあるアキノ政権、PEZAなどの外資優遇策、住環境やインフラの改善が加わり、必ず日本企業の進出ラッシュが来ると確信したからです。
 
編集部●今後の目標をお聞かせください。
 
庄子さん●クロスコープは日本企業が海外進出の第一歩となるプラットフォームを提供し、安心して事業の立ち上げができる環境を提供することにこだわりたいと考えています。オフィスや秘書サービスは勿論のこと、私達が現地でパートナーシップを組む現地のコンサルタントや会計事務所、法律事務所も含めて、新規進出企業に安心・安全なトータルサービスを提供できるようにしたいと思います。また、東南アジア諸国の拠点とのネットワークを活用して、各国の情報提供やキーマンの紹介など、お客様の成長につながる支援をしていきたいと思います。
 
編集部●休日はどのようにお過ごしですか?
 
庄子さん●私はシンガポールを生活基盤にしていますが、1カ月の半分はシンガポールを不在にしているので、出来るだけ家族サービスを心掛けています。
 
編集部●海外で働くことは昔から意識していましたか?
 
庄子さん●日本の本社を共同で創業した際には、1%も意識していませんでした(笑)。2011年の地震で自分の故郷が消失した時に、たまたま会社の海外進出が重なりました。このまま日本に残って故郷のために出来ることを模索するのではなく、今の日本の置かれた環境を考えると、海外にどんどん中小企業も進出して、世界で勝てる企業やリーダー、ビジネスマン、若者を増やしていくことが、中長期的に日本のため、故郷のためになると考えて、考え初めてから2か月で飛び出してきました。
 
編集部●フィリピンに来られる際に楽しみにしていることはありますか?
 
庄子さん●そうですね、若い方々がオフィス街のレストランで私達と同じ単価600~1,000円くらいのランチを楽しんでいるのを見ると、前向きな消費力を感じます。もっと、フィリピンの消費を実感できる瞬間に立ち会いたいなぁと、いつも楽しみにしています。

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庄子素史さん

【好きな書籍】
 
三国志などの歴史もの
 
【好きな言葉】
 
「原点の継承、仕組みの革新」
 
時代が変わっても理念や志などの商売のあり方は 代々継承し、経営手法などの商売のやり方は、時 代に適合させていく、という意味です。

 

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