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知的財産経営 in 東南アジア 「下町ロケット」のあのシーン、会社で起こったらどうしますか?【第12回】

第12回

東南アジアの今後の知的財産権制度は今後どうなるのですか。

 

東南アジアは、知的財産権制度そのものを統合しようと話し合いをずっとしてきました。考えてみてください。もし、1つの手続で東南アジアのすべてで会社や製品の名前が登録できたり、ハイテク技術の特許が取得できたりしたら、楽で良いですよね!それぞれの国で誰かに頼まなくとも良いので、手間もお金も節約できます。

 

ヨーロッパでは、このような知的財産権制度の統一化が進んでいます。ヨーロッパでは、経済規模は異なりますが、各国の経済レベルはそれほど離れていませんよね。しかし、東南アジアは、一言で括れないほど経済のレベルは異なっています。知的財産権制度の強化は、一般的に言って、先進国に有利で、後進国には不利な結果になると言われています。

 

たとえば、先進国のシンガポールは国を挙げて、知財立国に動こうと数年前から活動していますが、まだまだ後進国のカンボジア、ミャンマー、などのこれから工業化が始まる国では、国内産業を保護するために、外国企業や外国個人が権利を取得することに関して、積極的ではありません。一方で、後進国ではないけれども先進国にはなかなかなれないタイ、マレーシア、さらにベトナム、インドネシアでは、シンガポール程ではありませんが、知的財産権制度の強化には肯定的です。

 

東南アジアの知的財産権制度が統合されるのは、時間が経って経済レベルが均一になってからでないと難しいのが本当のところのようです。そのため、各国ごとの制度に応じた権利の取得を、今後も続けていかなければなりません。しかしながら、どのような内容を登録しなければいけないかとか、各国の政府系の機関で協力しようとする仕組み(ASPEC)はスタートしています。2009年6月よりスタート、2012年4月に制度改正があり、いまのところ、うまく進んでいます。このASPECが、さらに発展して、将来はヨーロッパのように知的財産権制度の統一が実現するかもしれませんね。

 

全12回にわたり、下町ロケットを題材に東南アジアで起こっている知的財産権問題について話して来ました。過去、日本企業は、知的財産権の使い方が適切でない場合があって、外国企業に今まで持っていた主要なマーケットのいくつかを奪われてしまいました。現在では、厳しい国際マーケットでの立場にいます。東南アジアでは、しっかりと日本企業の優位性を維持して行けるように、今までとは違う知的財産権の取り方、使い方が本当に必要とされています。

東南アジアで知的財産のことなら Masuvally and Partners

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