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フィリピンで役立つ!フィリピン法律あらかると第四十二回
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『ドライバーが交通事故を起こした場合』


今月の事例

Q.社用車で客先に商品を搬送中の弊社のドライバーが人身事故を起こして逮捕されてしまいました。どうしたらいいですか?

 

 

<フィリピンで現行犯逮捕がなされた場合どうなるか>


フィリピンでは現行犯逮捕がなされた場合、軽微な犯罪(刑期が4年2ヶ月1日を越えない犯罪)以外での逮捕のときは、インクエスト(Inquest)と呼ばれる手続がなされます。

これは、逮捕された人の権利が侵害されることのないよう、拘束を続ける正当性があるだけの十分は証拠があるかどうかを検察官が検討する手続であり、逮捕の起訴となった犯罪の重さにより、逮捕されたときから12時間から36時間以内に検察官は起訴するかどうかを決定しなければなりません(この時間内に起訴されなかった場合、検察官は逮捕されている人を釈放しなけばなりません。)。

自動車を運転して人身事故を起こしてしまった場合、一般的には運転者は殺人罪や傷害罪という罪に該当し、その場合には刑期が1ヶ月から20年となる可能性がありますので、上記インクエスト手続が必要となる場合が多いと思われます。

なお、インクエスト手続の代わりに身柄拘束を継続することを承諾した上で、更なる捜査を求めることも可能です。

 

 

<フィリピンで現行犯逮捕がなされた場合どうなるか>


逮捕された者は電話等で外部に連絡することが可能ですので、逮捕された場合には会社に連絡するように予め指示しておくべきでしょう。

次に、連絡を受けた場合、会社としてどのように対応すべきでしょうか。まずは従業員(またはその家族)から事故及び逮捕の連絡がなされた場合、事情の確認のために弁護士を派遣して接見を行い、拘束中にすべきこと及びしてはならないことについて助言を与えることが必要でしょう。

従業員の刑事手続に関しては、事情聴取を行った上で、そのままインクエスト手続を経て検察官の起訴不起訴の判断を待つか、身柄拘束を続けて更なる捜査を希望するかを決定します。次に、民事責任の点ですが、会社名で登録されている自動車が事故を起こした場合は、ドライバーのみならず、会社も賠償責任を負担することが一般的に求められています。

そのため、会社も被害者に対して示談交渉等を行うことが必要となります。なお、自動車保険に入っている場合には保険会社にも連絡をする必要があります。

また、事故を起こしたトラックには積荷等が積載されたままとなっていると思われます。一般的に自動車事故を起こした車両は警察に差し押さえられることになりますが、起訴後であればその返還を求めることが可能となる場合がありますので、会社としては検察に対して車両及び積荷の返還を求める申立を行うことになります。

 

結論

A.弁護士を派遣してドライバーから事情を聞くと共に、適切な助言を与える必要があります。また、一般的に会社も被害者に対して賠償責任を負いますので、示談交渉も行う必要があるでしょう。

 

本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco法律事務所の監修を受けております。



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