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フィリピンで役立つ!フィリピン法律あらかると第十回
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『フィリピンでの不動産購入はどうやってやるの?』

 前回はフィリピンの刑事裁判手続についてお話しさせていただきました(前回のフィリピンあらかると に掲載されていますので、見逃された方は是非ご覧ください)。今回はフィリピンで不動産を買うときの手続についてお話しさせていただきます。

外国人が購入できる不動産

    外国人はフィリピンの土地を購入することはできず、コンドミニアムのみを購入することが可能です。なお、土地を持てますという宣伝文句で販売されている物件も見られますが、これは正確ではありません。コンドミニアムを購入することにより、購入者はコンドミニアムが建っている土地を所有する会社の 持分を自動的に取得することになるため、これをもって土地を持てますと言っているものだと思われます。したがって、買主が自由に土地の所有権を処分できる(たとえば、既存の建物を取り壊して新しい建物を建築することができる)という意味ではないことに注意が必要です。

プレビルド物件の購入手続

    現在よく広告宣伝されている不動産といえば、まだ完成していないコンドミニアム(いわゆるプレビルド物件)です。そこで、プレビルド物件の購入手続がどのように行われるのかについて説明します。

フィリピンでも日本と同様に現地ではモデルルームに行ってデベロッパーから直接購入することになります(なお、モールでチラシを配っているのはデベロッパーではなく、ブローカー(仲介の不動産業者)であることが多いです。)。これに対して、フィリピンの物件を日本在住の日本人が購入する場合、日系のブローカーを介して購入することがほとんどだと思われますので、以下は日系のブローカーを介して購入する場合も含めて主に説明します。

① 予約金の支払い
    ショールームを見に行ったり、ブローカーから紹介を受けるなどして気に入った物件があった場合、まずはその物件を押さえるための予約金を支払うことになります(数万から数十万ペソ)。実際にはブローカーに対して予約金を支払いますが、ブローカーがデベロッパーに送金することにより、その物件についての優先交渉権を確保します。
② 売買契約の締結(支払条件の決定)

    物件を押さえた後に、具体的な売買契約書をデベロッパーとの間で締結する段階に進みます。フィリピンでのプレビルド物件の購入は日本のマンションの購入とは異なります。日本の場合、どのような支払い方法をとったとしても販売価格は変わりませんが、フィリピンの場合はデベロッパーがあらかじめ支払いプランを複数用意しており、そのうちどれを選択するかにより販売価格が変わることが多々あります。たとえば、全額を一括で支払える場合には販売価格から相当額(1割から2割など)の割引を受けることができます。全額を一括で支払わないとしても、引渡までになるべく多くの金額を支払う(いわゆるダウンペイメント)ことで、割引を受けることが可能となる場合もありますが、いずれの場合も完成予定時までに販売価格の少なくとも2割から4割程度の支払いが求められることが一般的です。また、建物完成時に支払う残金を銀行ローンを利用して支払うことを予定している場合には、金利や返済条件を決めて銀行からローンの内諾をとることがこの時点で必要となります。なお、売買契約書は英文で書かれており長文ですので面倒でしょうが、引渡前の転売や解約の可否等、買主にとって重要な事項も規定されていますので、契約を締結される前に内容を確認することが不可欠です。わからない箇所は必ず契約締結前に質問し、納得した上で契約締結してください。

③ ダウンペイメントの支払い

    ②で一括の支払いを行った場合以外は、売買契約書にて定められたプランに従ってダウンペイメントの支払いが求められます。フィリピンに住んでいる場合は直接デベロッパーに対して(小切手で)支払いを行います。日本在住の場合は、フィリピンに銀行口座を開設して小切手にて支払いをする方法の他に、ブローカーを介して支払いを行うこともあるようです。この方法による場合は、ブローカーがデベロッパーに対して支払いを行わなかったために問題となったケースもありますので、必ずブローカーがデベロッパーに対して支払いを行ったことを確認してください。

④ 残金の支払い

    デベロッパー及び契約内容によっては、売買契約締結時に決められた残金支払いの時期が来ますと、建物が完成しているかどうかに関係なく残金を支払わなければなりません。自己資金での支払いの場合は、その金額を買主がデベロッパーに支払い、銀行ローンでの支払いを予定した場合には、銀行は建物の引渡の有無に関係なく、デベロッパーに対して残金を支払いますので、その時点から買主は銀行に対してローンの返済を開始することになります。

⑤ 引渡

    建築自体の遅れがあったり、引渡前のチェックの結果手直し工事が必要になるなどして引渡が遅れることはよくありますが、ようやく引渡となったときにどのような手続が行われるかをみていきます。まず、引渡時に残金の決済が必要とされている場合には残金の支払いを行い、デベロッパーから鍵の引渡を受けるとともに、引渡証明書(Certificate of Turnover)及び売買証書(Deed of Absolute Sale; DOAS)を受領し、所有権移転の登記を行います(実際にはブローカーや弁護士に依頼することになります)。なお、銀行ローンを利用している場合には銀行が抵当権を設定します。もっとも、フィリピンでは所有権移転登記が完了した後でないと抵当権の設定ができませんので、引渡に関する書類は銀行が受け取り、抵当権が設定されるまで銀行が保管します。プレビルド物件の場合、DOASが発行され、登記手続が完了するまでに相当の時間(遅い場合は1年以上)がかかることを覚悟する必要があります。

本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco法律事務所の監修を受けております。



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弊事務所は、下記のフィリピンの法律事務所と提携しており、フィリピン進出中の日本企業及び在留邦人の方々に日本語での法律面でのサポートを提供させていただいております。取扱業務:会社設立、企業法務、倒産、労務問題、税務問題、一般民事、相続等


Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco
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(左) 弁護士 上村真一郎
(右) 弁護士 鳥養雅夫
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静岡県富士市在住、フィリピン専門(!?)マンガ家の前田ムサシです。フィリピン人の妻と結婚して18年・・・富士山のふもとの街で家族5人、毎日ワイワイにぎやかに暮らしてます。
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