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フィリピンのストライキについて【フィリピンで役立つ!フィリピン法律あらかると第四十九回】

『フィリピンのストライキ』


今月の事例

Q.フィリピンではどういう手順でストライキが起こるのでしょうか?

 

 

<ストライキまたはロックアウトの手続>


昨年、日系企業が対象となるストライキが発生しました。そこで、今回はフィリピンにおいてストライキが行われる手続についてご説明させて頂きます。フィリピンの労働法は、適法なストライキの要件について定めています。フィリピン法上、労働者側が適法にストライキをすることができる場合としては、①労働協約締結にあたり、デッドロック状態に陥った場合、又は、②雇用主による不当労働行為(Unfair Labor Practice;ULP)があった場合の2つが考えられています。
労働協約締結の話し合いがつかず、デッドロック状態に陥った場合、労働組合はストライキを行うことが可能となります(会社側はロックアウトを行うことができますが、ここではストライキについて説明します)。ストライキを行うためには、全国斡旋調停委員会(National Conciliation and Meditation Board;NCMB)の地方事務所にストライキの通告を行います。通告の日から冷却期間(Cooling Period)と呼ばれる期間に入り、その間にNCMBは労働者側と雇用主がデッドロックまたは不当労働行為に関する紛争が解消されるよう、サポートを行います。両当事者はその間、デッドロックまたは不当労働行為に関する紛争を解消し、合意に至るようにNCMBの斡旋のもとで協議を続けますが、先のストライキ通告の日からデッドロックが問題の場合は30日、不当労働行為が問題の場合は15日が経過したにもかかわらず問題が解決しなかった場合には、ストライキを行うかどうかについて投票を行います。投票の結果、ストライキを行うことに過半数が賛成した場合には、その旨の報告をNCMBに対して行います。そして、報告の日から7日間のストライキ禁止期間中に問題が解決されなかった場合は、ストライキを行うことが可能になります。ちなみに、2016年度にストライキ通告(30日前の通告)は213件なされていますが、実際にストライキがなされた件数は8件となっています(その他、適法な手続を経なかったストライキ等が7件あったと報告されています)。

 

<雇用主の取りうる手段>


適法なストライキが行われた場合、雇用主がこれを妨害することは許されません(例えばストライキを妨害するために警備員を雇うことなど)が、他方、労働者側が違法なストライキを行った場合、雇用主は違法なストライキであるとして労働仲裁官(Labor Arbiter)に対して申立を行い、ストライキ中止の暫定命令などの発令を求めることが可能です。しかし、違法なストライキへ参加したことを理由として労働者を解雇することはできません(もっとも、違法なストライキであると知りつつストライキを行った労働組合の役員やストライキ中に故意に違法行為を行った労働者については解雇することが可能です)。

結論

A . 法律で認められるストライキ事由がある場合、労働者側はストライキを行う通告を行い、その後NCMB主導の話し合いがなされても一定期間に問題が解決しない場合、投票を行い、ストライキを実施することが可決されるとストライキを行うことができます。

 

本稿においてフィリピン法に関する記載につきましては、Quasha, Ancheta, Peña & Nolasco法律事務所の監修を受けております。



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