フィリピンの製造企業紹介
フィリピンにおける製造業の国内規模、そして業種別構造はどうなっているのか?またフィリピンで製造業を展開する強みは何か?など、フィリピンの製造業について紹介します。
ISHIDA PHILIPPINES GRATING CO.,INC.
イシダフィリピングレーチング
各種ステンレス、アルミ製品加工や販売、樹脂成形品製造や販売、各種グレーチング製造や販売を手がけ、信頼ある技術で皆様のご要望にお応えします
PHILIPPINE NISHIYAMA PIPE MFG. INC.
フィリピンニシヤマパイプマニュファクチュアリング
優れた寸法精度により高精密引抜鋼管をフィリピン工場でも実現。熱処理も日本と同様に無酸化焼鈍炉を使用しているため、 ピッティングも無く肌質の良い製品に仕上がります。
SAMPO MOLDING AND ASSEMBLY INDUSTRY CORP
サンポモルディングアンドアセンブリインダストリ
フィリピンへは2001年に進出。精密部品から大型パネルまで、幅広い製品に対応しております。
金型製作から一貫した受注が可能ですので、ワンストップにて高品質な製品の...
Parts Seiko Philippines, Inc.(PSPI)
パーツ精工フィリピン
光学産業、医療機器産業、FAロボット産業や航空産業の部品を製造。切削加工技術力、徹底した検査力、そして高性能マシニングセンター、NC旋盤、三次元測定器を中心に、高性能機器の所...
CASTEM Philippines Corporation
キャステムフィリピンコーポレーション
薄肉形状や複雑形状、異形内部構造を得意とし、他製法に比べ自由な設計が可能。
鉄、ステンレス、アルミ、銅合金など、幅広い材質の中から選...
T&S GLOBAL SOLUTIONS INC.
ティーアンドエスグローバルソリューションズ
お客様のご要望を短納期に形にするために、曲げ加工や溶接加工、その他板金加工全般を一貫して自社の工場で実施。増設した3台のレーザー加工機により量産体制も可能です。
ARKTECH PHILIPPINES INC.
アークテックフィリピン
弊社はお客様のラインに合わせ、設計から試作、運用テスト、改良、量産対応までを短納期でお客様のご要望に合わせた「完全オーダーメイド」で対応し、お客様の要望を実現いたします。
NIHON HOUZAI LAGUNA CORPORATION
日本包材ラグナコーポレーション
日本包材は、1973年2月に日本の品川区で創業。1996年フィリピンのマニラに現地法人を設立。以来、日本製の高品質を御客様に御届けする事を目指して参りました。弊社は、あらゆる...
Super Flex Logistic Inc.
スーパーフレックスロジスティクス
繊細な精密機器の梱包、運搬のための、緩衝材と組み合わせたパッケージまで、幅広い梱包資材を製造販売。梱包材のダウンサイジング化、省資源化、積載効率のUP、トータル梱包材物流コス...
PILIPINAS TRADE GAS, INC.
ピリピナストレードガス
当社は1989年に設立され、工業用ガスおよび医薬品用ガスの製造・販売のリーディングカンパニー 巴グループの関連会社です。当社は工業用および医薬品用のガス、およびその他の特殊ガ...
MIZUTANI PAINT PHILIPPINES INC.
ミズタニペイントフィリピン
日本品質の高機能・高耐久の床用塗料、高耐候・超耐久性のナノシリコン塗料のご要望は弊社にお任せください。
Global Mocom Transcending Inc.(GMTI)
グローバルモコムトランスセンディング
組立部門ではSMT実装から組立、最終梱包まで、効率的・安定的に供給できる生産体制を整えております。樹脂成型部門では18トンから450トンまで40台の射出成型機を揃えており、樹...
Yutaka Finepack Philippines Corp.
ユタカファインパックフィリピン
袋の原料や製造設備は全て日本から輸入し、製造工程でも日本基準の品質管理を行うことで、フィリピンでも日本と変わらぬ品質での包装資材提供を実現しています。
JAPAN EXCELLENT TECHNOLOGY & SYSTEMS, INCORPORATED.(JETS)
ジャパンエクセレントテクノロジーアンドシステムズ
電子・電気機器の製造、組立てなど、皆様のご要望に応じてサービスを展開。少量多品種対応や設備外生産種等を得意としておりますので、ぜひご相談ください。
ISHIDA PHILIPPINES TUBE CO., INC.
イシダフィリピンチューブ
各種ステンレス、アルミ製品加工や販売、樹脂成形品製造や販売、各種グレーチング製造や販売を手がけ、信頼ある技術で皆様のご要望にお応えします
Idemitsu Lubricants Philippines Inc.
イデミツルブリカントフィリピン
自動車や各種部品メーカー、工場へ最適な潤滑油供給並びに出光ブランドオイルをご提供いたします。高品質のエンジンオイルとトランスミッションオイルを各種揃えている他、工業用潤滑油は...
これでわかる!フィリピンの製造業
今回のビジネス特集はフィリピンの製造業をとりあげます。フィリピンでの国内規模、そして業種別構造はどうなっているのか?またフィリピンで製造業を展開する強みは何か?などジェトロ・マニラ事務所 安藤さんに解説していただきました。
フィリピン製造業の規模は?
IMF によるとフィリピンの米ドル建て GDP 総額は2020 年で 3620 億ドルと推定されます。製造業のシェアは約2割なので、約640億ドルになります。また、輸出型製造業の規模を試算すると、先ずGDPの物品輸出は総額の 14.2%で 510 億ドル。輸出の品目別内訳から農業、水産業、その他を除いた部分を概ね製造品とみなすと、その割合は 78.5%で 400 億ドルです。こうするとフィリピンの製造業と輸出型製造業の位置付けがざっと分かります。
製造業における日系企業のプレゼンスは?また業種別構造は?
輸出型製造業においては、ご存じの通り外資系企業が主導的な役割を果たしています。また国別で見た場合、件数ベースでは日系が最も多いと思われます。付加価値額や売上等の数字はないですが、認可件数については、輸出型製造業の投資認可で最もシェアの大きい PEZA の資料があり、それを業種・品目別および資本国籍別に整理することが可能です。(表1)
表 1 フィリピン経済区庁の輸出製造案件内訳
註:件数はオリジナル案件のみカウント。日系は資本国籍に日本が含まれるもの全て
出所:フィリピン経済区庁認可案件リスト(2021 年 7 月 15日版)に基づきジェトロ作成
先ず、21 年 7 月 15 日現在の資料を基に数えると、PEZA の認可を受けている製造分野のオリジナル案件数は 1531 件となっています。これらの内、日本の出資が含まれる案件は 603 件で、ほぼ 4 割に当ります。業種・品目別にみると、多い順に金属加工(24%)、次いで樹脂製品(19%)、コンピューター、電子、光学機器 (17% ) となっており、これら 3 つで 6 割弱に当ります。その他では、電気機器(8.8%)、輸送機器関係(7.8%)等が目立ったところで、その他の分野はさらにぐっと割合が小さくなります。金属加工や樹脂についても、輸出の品目別構造をベースにして考えれば、全体として、事務機器や医療・精密・光学機器等も含む電機・電子製品、部品等につながる分野に偏っていることが推定されます。
フィリピン製造業の強味は何?
アジア地域全体で見た製造拠点の立地先としてのフィリピンの優位性に係るデータを紹介します。恐らく最も重要なのは人的資源です。一億人の人口に加えて、若年層の割合が多いのですが、今後もかなりの期間にわたりその状態が続くと期待されます。他の ASEAN 主要国では、ベトナムも含めて年齢層別人口構成が、既にピラミッド型ではな くなっています。国連の労働人口の長期予測を見ると良くわかります。また、人的要素との関連では人件費水準が安定的に推移していること、労使関係が他国との比較で安定していることも優位性の一つに挙げられます。
人件費の水準と上昇率は、経営上の大きな関心事項ではありますが、製造コストは人件費のみに依存する訳ではありません。実際、かつては安価だった中国の人件費は、現在フィリピンの数倍となっていますが、それでも価格競争力でフィリピンに勝る製造品目は多数あります。大型投資が必要な工業原料の供給、サプライチェーンの幅広さなどがその背景となります。フィリピンはこれらの要素が不足しています。ジェトロのアンケート調査でも、他の ASEAN 主要国では現地調達率が 40 から 50%台にあるのに対し、フィリピンのそれは長く 30%前後に留まっていることが分かります。
しかし同じ調査で、製造コスト指数については、フィリピンの数字が域内でもベトナムと順位を争うほどの高水準が維持されていることも明らかになっています。これは生産性向上の取組が継続的に行われていることに加え、先ほど弱点と申し上げたサプライチェーンについても、電機・電子等特定分野については、小型の金属部品、樹脂部品等を中心に集積が進んできたことが考えられます。直近でもワイヤーハーネスの新規投資や工場拡張がみられることや、プリンターの輸出額が 10 年間で十数倍 に拡大したこと等はそれを背景にしていると思われます。(表2)
表2 日系企業の製造コスト指数
~日本での製造コストを 100 とした場合 ~
出所:ジェトロ、アジア・オセアニア進出日系企業実態調査 各年版よりジェトロマニラ作成
ご執筆: ジェトロ・マニラ事務所 安藤 智洋 氏