フィリピンのゴム製造業界
近年、ゴム製品の製造量は世界的に増加しており、自動車産業や建設業界、電子機器産業などの発展により、タイヤやホース、シーリング材、電子部品などの需要も増加しています。また、消費者製品分野でも、スポーツ用品や日用品などの分野で、ゴム素材が広く使われています。フィリピンではどうか?ゴム製造業の概要を調べてみました。
MIYASAKA POLYMER (PHILIPPINES), INC. / 宮坂ポリマー・フィリピン 株式会社
長野県茅野市に本社の有る宮坂ゴム株式会社(1970年操業)の現地法人です。
宮坂ポリマーフィリピンは、宮坂グループで海外最初の拠点として1995年に操業を開始。<...
Covac Philippines., Inc.
コバック フィリピン
株式会社コバックの100%出資生産拠点として、2018年にLIMA Technology Center内に設立。主に合成ゴム製のプリンターインクカートリッジ用部品、、シリコン...
これでわかる!フィリピンのゴム製造業界
近年、ゴム製品の製造量は世界的に増加しており、自動車産業や建設業界、電子機器産業などの発展により、タイヤやホース、シーリング材、電子部品などの需要も増加しています。また、消費者製品分野でも、スポーツ用品や日用品などの分野で、ゴム素材が広く使われています。フィリピンではどうか?ゴム製造業の概要を調べてみました。
フィリピンは天然ゴムの産出国であるとともに、輸入国でもあり、合成ゴムも輸入しており、またゴム製品の輸出国でもあります。世界の天然ゴムの生産国は上位5位は、タイ、インドネシア、ベトナム、インド、マレーシア。フィリピンは輸出額ベースで、世界9番目です(International Rubber Study Group (IRSG) 2020年度統計データより)。フィリピンの天然ゴム生産は主にミンダナオ島で行われています。
一方でフィリピンは天然ゴムの輸入もしています。フィリピン統計局(Philippine Statistics Authority)データによれば、2020年のフィリピンの天然ゴムの輸入量は、前年比13.1%増加し、86,401トン。また、合成ゴムの輸入量も前年比7.4%増加し、134,098トンになりました。
フィリピンのゴム製品の製造量は、2020年度の統計データによると世界で36位(Statista. (2021))となっています。一方、ゴム製品の輸出額を見ると、2020年には、前年比4.1%減少し、約9億1,000万ドルでした。フィリピンの主要なゴム製品輸出先は、日本、中国、韓国、米国、およびオランダです。
図1(参考)2012年~2021年までのフィリピンのゴム生産量(単位:1,000mt)
出典:SEPIホームページをもとにPrimer作成
出所:Philippine Statistics Office (PSA)データより
フィリピンのゴム製造分野の製造品目は、広範囲にわたりますが、上位10品目は表1の通りです。特に自転車用タイヤや医療用ゴム製品など、需要が安定しているといわれる分野の製品が多くなっています。
ゴム製造は、COVID-19の影響による需要の低迷など、一部の国々ではで生産量の減少が見られています。また、環境保護意識の高まりにより、天然ゴムやリサイクル素材を使用した製品の需要が増加していることも、今後の動向に影響を与えると予測されています。
表1 フィリピンで製造されるゴム製品
出展、資料:International Rubber Study Group (IRSG) 2020年度統計. Statista. (2021). など