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フィリピンのBPO企業紹介

フィリピンで活況を呈しているBPO産業。 今やフィリピンにおける一大産業となっています。 特にシステム開発、ITサポート、コールセンター事業において市場のニーズが高まっています。ここではフィリピンのBPO企業を紹介します。

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これでわかる! フィリピンのBPO産業

 

今回のビジネス特集はフィリピンの BPO 業界です。フィリピンで活況を呈している BPO 産業。 今やフィリピンにおける一大産業となっています。 その市場規模や変遷、 そして今後の見通しは?また日系企業で活躍する会社は? 業界についてお話を伺ったのは日本貿易振興機構(JETRO・ジェトロ)マニラの吉田さん。特に最近はフィリピンにおける経済のデジタル化に向けた動きもあるそうです。

 

業界インタビュー:豊富な若年理系人材と語学力で、比の一大産業へ

 

Q. BPO とは?比の市場規模は?

 

BPO とは Business Process Outsourcing のことで、業務委託全般を指し、様々なサービス分野を包含しています。 たとえば、バック・オフィス業務(データ入力、書類管理)、顧客対応業務(コールセンター、テレマーケティング)、財務・会計、システム管理・ヘルプデスク、調査、顧客分析、リスクマネジメント、技術開発・新製品設計等が挙げられます。
フィリピンにおける BPO産業の市場規模を見ると、2020年の収益は 267 億ドル(対前年比 1.4%増)、 雇用者数は 132 万人(対前年比 1.8%増)にも及びます(出所:「ビジネス ・ ミラー」 紙 2021 年 6 月 11 日付)なお、 フィリピンの個人送金の受取額は 349 億ドルですから、(世界銀行データ参照)、 それから見ても、 いまやいかに大きな産業に成長しているか、 お分かりいただけると思います。

 

Q. 比でBPO産業が活況となった背景は?

 

欧米企業側からの視点とフィリピン側からの視点で、 フィリピン BPO 産業の変遷をご説明しましょう。

 

まず欧米系企業側からの視点では、 1990 年代以降、 主に米国企業において、①市場競争の激化によるコスト削減圧力によって社内業務の一部をアウトソースする誘因が発生していたこと ②社内資源のコア ・ コンピタンスへの集中により比較的給与水準の低い国にサービス業務を移転する誘因が発生したこと、この 2 つの要因が挙げられます。 その背景にはインターネットの普及等で、 情報 ・ 通信技術が発達、 サービス業務の国際間の受発注が容易になったことが大きいでしょう。

 

フィリピン側からの視点でみると、 外貨獲得源、 就労機会提供の観点から、 フィリピン政府が BPO 産業の立地を支援し、BPO 産業に関する投資に対して、 投資誘致機関であるフィリピン経済特区庁(PEZA)や投資委員会(BOI)が税制面でのインセンティブを付与したことが挙げられます。

 

それらの背景の中、 多国籍企業を中心とした BPO 産業がフィリピンに集積してきました。1992 年にはアクセンチュア・グループの企業がコンタクトセンターをフィリピンに設置し、 また 1990 年代終盤から 2000 年代前半にかけては、 米国系をはじめとする多国籍企業によるコンタクトセンターの設立が相次ぎました。 フィリピンの BPO産業は、 サービス精神旺盛な英語話者を豊富に供給できることを強みに急成長を遂げてきたのです。

 

Q. BPO 産業内の内訳と主な輸出先を教えてください

 

欧米企業側からの視点とフィリピン側からの視点で、 フィリピン BPO 産業の変遷をご説明しましょう。
まず欧米系企業側からの視点で フィリピンにおける BPO産業の内訳をみると、 コールセンターを含む、 カスタマー ・ リレーションシップ ・ マネジメント(IT を活用した顧客との関係を管理するサービス)の割合がトップ、 次いで、 コンピューター ・ プログラミング等が挙げられます。

 

 

 

 

サービスの輸出先は、 2017年のデータでは米国が 65.7%を占め、 次いで、 オーストラリア(8.5%)、 英国(6.3%)、オランダ(2.1%)。 となっています。 また、フィリピンの BPO産業の特徴として、 主要企業の大半は米国系の多国籍企業(アクセンチュア、 Concentrix、 JP モルガン ・ チェース等)が占めていることが挙げられます(DFA 資料より)。

 

一方フィリピンの地場資本企業は比較的少なくまた小規模です。 これは、 欧米企業が発注を行う際に、 受注側がある程度の水準を保ってサービス提供を行なう必要なことが理由として考えられます。 多国籍BPO企業は、入社後、社内研修・トレーニングが非常に充実しており、 社員のマネージメントも効率化されている傾向にあります。そのため、一定水準のサービス提供が可能となっているのです。

 

Q. 比でBPO 事業を行うメリットと留意点は?

 

メリットとしては、 高度な能力を持つ、 若年の理工系人材がフィリピンでは比較的に豊富に供給されていることがあります。そして、 賃金の上昇率が近隣の東南アジア諸国と比較しても低位に抑えられていることも挙げられます。 英語が公用語であることも大きな要因ですね。
一方フィリピンで BPO 事業を行うにあたり特に留意すべき点としては、 フィリピンでの法人設立を検討した場合、 手続き面で労力が発生すること。 また、 法人税率が高かったことです。ただし、 CREATE の成立によって、 税率が 30%から 25%に低下したため(条件を満たす小規模事業者は 20%まで下がった)、 状況は改善しつつあるといえます。

 

今フィリピンは、 経済のデジタル化に伴い、 技術 ・ サービスをフィリピン市場に展開する動きが生まれつつあります。このなかで、サービスの高度化を目指している BPO 企業はスタートアップのターゲットにもなりつつあり、 JETRO マニラでもフィリピンへの参入にあたり日系企業から相談を受けるケースが増えています。 この中での日系企業の留意点、 JETRO としてのサポートを次にお話したいと思います。

 

Q. フィリピンにおける BPO 産業の展望と日系企業の留意点を教えてください。

 

労働は AI・自動化等の先端技術で代替がされやすく、サービスの高度化が目指されている現状です。(ILO レポートより)。そこで、現在のBPO産業においては、コールセンターから、比較的に高度な分野であるプログラミングやソフトウェア開発、データ調査・分析へとサービス分野を移行し、より産業全体の収益力を高めることが目指されています。産業高度化に伴い、情報通信分野に明るい人材の供給増加もあわせて志向されているのです。

そのような状況下において、日系企業・スタートアップの中には、フィリピン経済のデジタル化に伴い、技術・サービスをフィリピン市 場に展開する動きが生まれつつあります。サービスの高度化を目指している BPO 企業は、そのようなスタートアップ企業のターゲット先に一つになりつつあり、今後参入が進んでいくことが予測されます。

 

Q. フィリピンにおいて BPO をする際の JETRO としてのサポート体制を教えてください。

 

JETROとしては、特にBPO産業に特化しているわけでなないですが、日系スタートアップの海外展開を支援する「ジェトロ・アクセラレーション・ハブ」という事業を行っています。日系スタートアップとフィリピンの BPO 企業をマッチングも行っています。

異なる商習慣や法律制度の中で、新しいビジネスを展開する時、様々な予想外の展開があることが多いですが、フィリピンでビジネスを始められる場合はJETROマニラ支店もぜひご利用いただき、円滑なビジネスの推進にお役立ていただけたらと考えております。

 

 

日本貿易振興機構(ジェトロ)マニラ /
Japan External Trade Organization (JETRO) Manila

吉田 暁彦さん Mr. Akihiko Yoshida

 

2015 年、ジェトロ入構。本部、ジェトロ名古屋を経て、2020年9月より現職。フィリピン経済についての調査・情報発信と、日系スタートアップに対するフィリピンへの展開支援を主に担当。

WEB:
https://www.jetro.go.jp/world/asia/ph/

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