フィリピンの物流・梱包・倉庫
Super Flex Logistic Inc.
スーパーフレックスロジスティクス
MIRAI PHILIPPINES CORP.
ミライ フィリピンズ コープ
Suzuyo Whitelands Logistics, Inc.
鈴与フィリピン
LBC Transtech Co. LTD
株式会社トランステック
NIHON HOUZAI LAGUNA CORPORATION
日本包材ラグナコーポレーション
■フィリピンの物流業界
フィリピンの物流市場の規模は、2019年には2,173億ペソ(約4,320億円)、2020年には、パンデミックにより、物流業界にも影響がありましたが、市場規模は2,037億ペソ(約4,040億円)、そして2022年以降も成長が続き2025年には市場規模が3,197億ペソ(約6,350億円)に達すると予測され、今後ますます拡大していくものと予測されています。その一方でフィリピンの物流業界は課題も抱えています。
インフラストラクチャーの不足:フィリピンは公共交通機関、道路、高速道路などのインフラ整備が遅れており、交通渋滞や道路状況の悪化などが物流のスピードとコストに影響を与えている。
運輸規制の煩雑さ:フィリピンの運輸規制は煩雑なことで知られます。特に、トラックやバスなどの道路輸送業界においては、ライセンスの発行や規制の厳格化により、運行コストの上昇につながっている。
ITシステムの不備:フィリピンの物流業界において、物流情報の共有や追跡システムの整備が進んでおらず、顧客とのコミュニケーションの停滞を招いている。
人材不足:物流業界に従事する人材、特に高度な物流管理能力を持った人材の不足は深刻。
環境問題:フィリピンの物流業界においては、CO2排出量の増加や廃棄物の処理に課題があり、また自然災害時の物流システムの強化が必須課題。
このような中にあって日本政府はフィリピンの物流インフラストラクチャーの整備に対して、多数のODA(政府開発援助)プロジェクトを実施しているほか、日系企業もフィリピンの物流業界に進出し、日本が培ってきた物流システムの改善や効率化に貢献しています。
■フィリピンの梱包業界
フィリピンの梱包業界は、急速に成長している業界の1つです。その市場規模は、2019年には約US $5.5億の市場規模、2020年はパンデミックによって一時的に落ち込みましたが、需要の回復によって2021年には再び拡大傾向にあります。フィリピンの梱包における最近のトピックスをご紹介します
持続可能性の重視:世界的なトレンドである持続可能性に関する関心が高まり、フィリピンの梱包業界でも環境に配慮した包装材料の需要が高まっている。
オンライン販売の増加:パンデミック以降、オンライン販売が急速に拡大、このトレンドは今後も継続する見込みで、これにより、梱包業界も需要が高まっている。
技術革新の導入:梱包業界でもデジタル化の波が押し寄せており、ロボットによる梱包や自動化された倉庫の導入など、様々な技術革新が進んでいる。
国際競争の激化:フィリピンの梱包業界は国内外の競合業界との競争が激しく、品質やコスト面での競争力強化が求められている。
この中にあって日系企業は、梱包材料の調達や梱包設備の導入や品質、環境への配慮にも注力しており、フィリピンの梱包業界の発展に寄与しています。
※Department of Trade and Industry (DTI)などの資料を基にプライマー作成
■業界企業インタビュー(2021年3月号 Vol.155)
コロナ禍における物流の現状はどうなっているのでしょうか? また、日本とフィリピン間の物流では何に注意すべきなのか、どこの物流会社を選べばいいのか? など数々の疑問を、日比間の物流を手がけ、定額制宅配サービスのバリクバヤンボックスで知られるTranstech Co., Ltd.の高橋司さんにお伺いしました。また、日系の物流企業会社各社に自社サービスの特長を、倉庫業務もあわせてお伺いしたほか、物流に欠かせない梱包材企業もご紹介。フィリピンの国内の大手物流企業などもぜひご覧ください。
コロナ禍での日本➡比の物流の状況はいかがですか?
コロナ禍であっても、原則、人は動けなくててもモノとお金は動いています。現在多くの会社が日本、フィリピン間の物流を扱っていますが、その顧客が個人か法人か、またどのような業界の物流を取り扱うかによって、コロナ禍の業績の明暗が分かれているようです。弊社・トランステックの傾向を見ると、個人向けは堅調で、また送付先もフィリピン人向けも増加傾向です。また昨年11月からエアーカーゴ(航空輸送)サービスをは開始したこともあり、多くの日本人が帰国している中ではありますが、お陰様でむしろ弊社の取扱量は倍増に近く推移しています。ECQの際に、グループのLBCが国内輸送を認可されたのも功を奏しました。
Transtech Co.,Ltd. トランステック株式会社
Chairperson & C.E.O.
高橋 司さん
Mr. Tsukasa Takahashi
コロナ禍で物流のプロセスに変化はありますか?
フィリピンの物流自体は、「人の流れは制限しても物流の流れはとめるな」という政府の後押しのもと堅調に動いているといっていいでしょう。ただ、輸送プロセス自体の変化はないものの、フィリピン側の税関オフィスが突然クローズするといったこともあり、フィリピンに荷物が到着した後に、一週間程度の遅延が生じている現状はあります。また昨年末から日本側でも税関の検査が強化されたこともあって、遅延が生じがちですので、この点は注意が必要ですね。
日本➡比の荷物 物流会社を選ぶポイントは?
日本、フィリピン間でも各社様々なサービスを展開していますので、まずご自身の用途にしたがって選択していただくのがいいですね。急ぎの程度に合わせて船便を選ぶか航空便がいいのか。またその場合の料金はどうなのか。
超急ぎであれば、割高にはなりますがFEDEXのように、夕方までに集荷センターに持ち込めば、その次の朝には届くというサービスもあります。エアカーゴ(航空便)なら通常2〜4日で到着します。通常は、船便であれば3週間程度かかりますが、もちろんその分料金は下がります。ただ船便でも航空便でも値段が安いと、指定個所にとりに行く必要があったり税金が加算されて結局高いものについてしまうこともありますので、事前にきちんと調べる必要かあります。ちょうどトランステックでは、今エアカーゴ開始のキャンペーンをやっております(笑)。ぜひお問合せいただけたらと思います。
フィリピンならではの荷物送付の注意点は?
現在は日本、フィリピン間の輸送で以前あったような、途中での荷物の紛失などはほとんどありません。送付物で注意すべきは、もちろん、下表のように日本・フィリピンの各種法律・法令により輸出が禁止されている物ですね。最近、よく聞かれるのはPCやスマートフォンは送れるのか?という質問です。現在は原則2台までは個人送付できることになっています。ただそれを超えるとコマーシャル(商用)とみなされて課税されてしまいます。それは新品であっても中古であっても同じで、台数で判断されますので注意が必要です。これはプレーステーションなどのゲーム機も同様です。その他衣料品などは問題なく送付できます。箱に入りにくいなとかこれは送付できるのかな?と思ったらぜひ御相談ください。
またフィリピンから日本への物流は、需要が少ないこともあってあまりPRされていませんが、国際輸送サービス大手、トランステックでもグループのLBCで取り扱っています。日本への輸送の場合、事前に送付物に課税があるかを確認する必要があります。
日本⇔比 今後のサービスはどうなる?
フィリピン日本間の物流は、各社様々なサービスを提供して日進月歩しています。トランステックでも、エアカーゴを開始したのに続き、現在新サービスをご提供する計画を進めています。ぜひフィリピン、日本の物流の利便性を向上させて、皆さんにより安心してご利用いただきたきたいと考えております。