フィリピンのマナー
フィリピンでは当たり前のことでも、 日本人にとっては馴染みがなく驚くことも多いでしょう。
このページでは、お互いが異文化を持っていることを認識し、気持ちよく過ごすために知っておきたいフィリピンと日本の文化・マナーの違いや生活TIPSについて、ご紹介します。
1.チップ
チップは、サービスに対して支払う、規定料金とは別の心づけです。レストランやホテルなどのサービス業に対しては、チップを渡すことが一般的です。チップの相場は一般的に請求金額の10%~20%程度です。しかし、サービス料が請求書に含まれている場合は、別途チップを渡す必要はありません。
チップの対象になるのは、例えば、タクシーやウェイトレス、ウェイター、ルーム・ サービスなどです。さらに、マッサージやネイルサロンのスタッフもチップの対象です。
2.道の横断
歩行者優先の日本とは違い、 フィリピンでは車優先社会です。 またドライバーは運転が荒く、信号無視も日常茶飯事です。 通勤時間帯は特に渋滞が激しいため、 少しでも早く着こうと車・バイクは常に車線変更を行い、少しの隙間に入り込みます。地方ではまだ、信号機が設置されていないところもあります。道路を渡るタイミングは「 車が切れたとき 」です。
十分に気を付けて渡りましょう!
3.ショッピングモール
暑いフィリピンでは週末をエアコンの効いたモールで過ごすのが人気!ただ、エアコンが効きすぎていて、寒いくらいです。羽織るものを用意しましょう。また、入口では荷物検査があるので、鞄などをすぐに開けられるようにしましょう。主要なモールでは無料Wifiもあり、カフェやレストランでインターネットを利用することもできます。
4. トイレ
フィリピンのトイレでは、配管が細く詰まりやすいため、トイレットペーパーを流してはいけません。便器の近くにゴミ箱が設置されているので、そちらへ捨てましょう。 公共のトイレでは、トイレットペーパーは設置されておらず、自分で用意するのがフィリピン流です。ただ最近は主要ショッピングモールをはじめとして、設置されている場所が増えてきています。個室の外に1つだけホルダーが設置されている場合もあります。また、トイレの便座がないこともしばしば有ります!
5.お風呂
フィリピンのバスルームは、 基本的にトイレと共用です。バスタブはなく、シャワーだけ設置していることが一般的で、冷たい水でシャワーを浴びます。 日本人が多く暮らすコンドミニアムではお湯でシャワーをあびることができますが、お湯でない場合は、別途電気給湯器を取り付ける必要があります。いわゆる「お風呂」はスパなどに行けば入ることができます。
6.名前の呼び方
通常、 ファーストネーム(名前)で呼びます。 フィリピン人は、名前とは別のニックネームで呼ばれるのを好む人もいます。話しかける場合には会話の最後に名前を付けることで、親近感が沸きます。名前の前に男性はSir(サー)、女性はMa’am(マム)を付けると丁寧です。
* 「Professor」 や 「Dr.」、「Mr. / Ms. / Mrs.」 などの尊称をつけるよう指定する人もいます。
7.クヤ・アテ
フィリピンでは、目上の男性に対しては「Kuya(クヤ)」、女性に対しては「Ate(アテ)」と呼ぶことがあります。お兄さん、お姉さんと同じ意味を持ちますが、自分より年下には使用しません。知らない人に対して親しく呼びかける際に使うことも多いですが、相手によっては馴れ馴れしく感じることもあるので、シチュエーションを選んで使うようにしましょう。例えば、レストランのウェイターにむやみに使うのは、あまり好ましくないとされています。
8.喫煙
メトロマニラ首都圏内は、公共の場で喫煙を禁止しているエリアもあり、違反者には罰金が科せられます。
初犯:500~1,000ペソ / 2回目:1,000~5,000ペソ / 3回目:5,000~10,000ペソ
喫煙は、定められた喫煙スペースを利用しましょう。モール内にも喫煙場所が設置されているところもありますので、スタッフに聞いてみましょう。
9.クリスマス
キリスト教が主な宗教のフィリピンでは、 クリスマスは一大行事です。 Septemberなど語末がberで終わる月は「Ber months」と呼ばれ、クリスマスシーズンだとされています。毎年9月からお祝いの準備が始まり、 あちらこちらでクリスマスツリーが飾られ、クリスマスソングが流れます。 クリスマス・イブと当日は、家族で過ごすのが一般的です。 教会で開かれるミサに参加し、キリストの生誕を祝います。また、このシーズンは渋滞が通常より一層ひどくなります。
10.誕生日
フィリピンでは、パーティーの手配は誕生日を迎えた人が本人で行い、 支払も本人が負担するのが一般的。 職場でも日本人だからと言って何もしないのはNGです。デリバリーのピザなどを頼んでみんなで祝うのがフィリピン流。誕生日パーティーを派手にやるのが、フィリピン人にとってのステータスです。
11.ドレスコード
ドレスコードとは、「その場にふさわしい服装の基準やマナー」のことです。 高級レストランなどでは短パンやサンダルを禁止するのも、ドレスコードです。パーティー好きなフィリピン人は、ドレスコードを設けてゲストを招くこともしばしば。ビジネスや正式なパーティーでは、指定がある場合が多いので注意しましょう。
フィリピンの民族衣装で、 現在も正装として認知されているバロンタガログ(男性の場合)やフィリピニャーナ(女性の場合)を持っていると、便利です。ちなみに、バロンには種類があり、公式の式典や大きなイベントの場合は、パイナップルの葉の生地に繊細な刺繍が多く施された高級素材のバロンを。ビジネスなどの場合は、バナナの葉の織物や合成生地を用いたオフィスバロンを着用します。結婚式の場合は、新婦さんに決められた色のバロンをレンタルするのが一般です。
<フィリピンにおけるドレスコードの種類>
フォーマル(Formal) | 男性はタキシードやスーツ、女性はカクテルドレスやイブニングドレスを着用することが望ましい。政府関係や国際的なイベントなど、より正式な場合に適した服装。 |
セミフォーマル(Semi-formal) | ワンピースやネクタイのついたスーツ、革靴など。社交イベント向けの服装。 |
ビジネスアタイア(Business Attire) | モノトーンのスーツスタイルが基本。 |
ビジネスカジュアル(Business Casual) | ブレザーを着る場合はカジュアルなシャツやジーンズ、ローファーでもOK。襟付きのシャツの場合はブレザーはなくても問題ない。派手なプリントは避けるように。 |
12. フィリピン人の食事の仕方
フィリピンでは、大皿料理が出てくることが多く、各自お皿に取り分けて食べます。上司や高齢の方が取り始めるまで待つのが基本のマナー。一度に取りすぎるのもNG。
また、フィリピンではフォークとスプーンを使って食べるのが一般的です。フィリピン料理では、必ずと言っていい程ご飯とおかずを一緒に食べます。その際に、左手のフォークの背中でご飯とおかずを右手のスプーンの中に押し入れます。そうするとおかずとご飯を一口でうまく食べられます。スプーンは時にはナイフの役割も果たし、フィリピン人は、スプーンとフォークがあれば大抵の食べ物を上手に食べることができます。ぜひ、この食べ方をマスターしてみましょう。
初めて見る料理を勧められたら、あまり断らないようにしましょう。匂いや見た目だけで断るのはあまり良いマナーとは言えません。ホームパーティーなどでホストからフィリピン料理を提供されたら、まずは食べてみましょう。フィリピンで断ることは、相手を尊敬していないと思われてしまいます。 また、自宅に招かれた場合、家庭によっては食前に祈りを捧げる習慣もあります。その場合は、祈りが終わるまで静かに待ちましょう。
13.レストランでのお会計
フィリピンは基本的にテーブル会計。スタッフが遠くにいる場合は、手を挙げて、指で長方形の形を描き、合図を出す。近くにいる場合は「Excuse me」と呼び止めてから、「Bill out, please」、「Bill, please」「Check, please」などで伝えます。
14.フィリピンタイム
他の国では遅刻と言いますが、フィリピンではフィリピンタイムと言っています。フィリピンタイムとは、約束の時間から数分から数時間遅れることを意味しています。例えば、7時に開始する会に招待されてもその時刻に必ず行く必要はありません。むしろあまり早く行くことは良く思われません。早く行くことによって、会を準備している主人にプレッシャーを与えることになるからです。また、遅れて行くことが必ずしも悪いことでないもう一つの理由は、『食べ物が全て無くなっていても会に来る意味が十分にあります。』と言うことを表現する意味が含まれているからです。
ただし、時間に正確なパーティー、食事会もありますので、事前に確認してみるとよいでしょう。
15.フィリピンでの挨拶「ベソ」「マノ」
初対面の人に会う時には通常握手か、スペイン語で「ベソ」と呼ばれる頬と頬を合わせる挨拶をします。マニラでは、このベソが友人同士や家族内で広く、自然に行われています。ベソは友達や知り合いとランチやパーティーで会うときやモールで通りかかった友達にするものです。日本と違い、人が揃っている所に自分が後から到着した時は、いきなり席に座らずに一人一人の席を回ってきちんとベソで挨拶することが良いマナーとされています。
<ベソの決まり>
-若い人が年上の人に歩み寄り、ベソを行います。
-男同士は原則ベソを行いません。
-仕事でベソは適切ではありません。
その他に、子どもや若い人が年配の人の右手を自分の右手で取り、手の甲を額にあてる習慣があり、「マノ」といいます。年上の方に対する敬意を示す習慣です。
16. 丁寧語「Po」
「Po」はタガログ語で、日本語の「です」「ます」の使い方と似ています。文の最後に付け足して、尊敬の意味を表します。例えタガログ語を話すことができなくても、Poを付け足すことによって、あなたがフィリピン文化を知っていると相手は認めてくれます。例えば、レストランのウェイトレスがお水をくれたとき、Thank you po!と返したり、はい、いいえ質問を聞かれたときにYes poかNo poで返事してみましょう。相手のフィリピン人もきっと微笑んでくれるでしょう。
17.お通夜と葬儀
<ドレスコード>
お通夜は通常4日~1週間行われ、親族や親しい友人でない限りはお通夜にのみ参加すればよいとされます。通常は会社帰りに寄っていくことが多いため、あまり服装は選ばずとも問題ありません。親族でない限り、派手すぎなければカジュアルな格好で参加する方が多いです。家族へのご挨拶の後、棺に別れを告げて、しばらく座って30分ほど滞在するのが一般的。告別式は、お通夜の最終日となっており、ミサや火葬が行われます。親族や近しい友人のみで行われることが多いです。
<供物>
花輪を贈る場合はなるべくお通夜の初日までに届くよう手配するのがおすすめ。相場はP3,000~。また、それほど親しい仲でない場合は、お金(P3,000~5,000 ※2023年現在)を贈ってもよいでしょう。カトリックの習慣で、亡くなった人の名前が書かれたMass Cardというカードを贈ることもあり、友人が集まって1枚のカードを贈る場合があります。カードは教会などで購入できます。
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18.結婚式
<ドレスコード>
男性はスーツやネクタイ、女性はワンピースやドレスが一般的。テーマカラーがある場合も多いので、忘れずに主催者に確認しましょう。式は案内された時間通りに行くように心がけて。ただし、披露宴は移動などによって遅れる場合もあります。
<結婚祝い>
ご祝儀を持っていくのが一般的で、P3,000~P10,000が目安。ニノン・ニナン(後見人/God Parents)であれば、P10,000~30,000前後が妥当です。家柄、会場によって変わってくるので、周囲の人に聞いてみましょう。ご祝儀袋(Money Envelope)はナショナルブックストアなどで買うことができます。贈り物のリクエストリストが送られてくる場合は、それに従えばOK。リクエストがない場合は、お金か、プレゼントを自由に選んで当日持参します。
フィリピンの文化やマナーを知って、お互いが気持ちよく生活できるように心がけましょう。