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フィリピンでのジプニーの乗り方

フィリピンのシンボルといっても過言ではないジプニー(ジープと呼ぶ人も)。 米国占領時代に使い古されたジープを改良し、今も公共交通機関として利用されており、メトロマニラでも多くのルートを走り回っています。 ジプニーは、一般的に16~20人乗りで、比較的どこでも乗降できるという利便性から、庶民の足として多くの国民に利用されています。こちらのページでは、メトロマニラでのジプニーの利用方法についてご紹介します。

 

1. ジプニーの構造について

車体前の表示板
行き先が表示されています
例) Cubao
車体横の表示板
ジプニーは車体ごとに決まった区間を往復しています。その区間の名前が表示されています。
例) Cubao - Divisoria

この表示は固定のため、随時乗る前にどちらの行き先に向かっているのかの確認が必要です。
座席
乗客は車体後方から乗り降りします。写真のように、天井は非常に低く車内は昼間でも薄暗いです。
(夜間は照明が点灯)
 

ジプニーは、フィリピン各地で車体の形が異なります。フィリピン国内を旅行する際は、ジプニーの形にも注目してみてください。

2. ジプニーの乗り方について

①ジプニーを捕まえる

まず、走っているジプニーを停めて、行き先を確認します。行き先が違った場合は、首を振るなどのNoサインを運転手に示し、別のジプニーを探しましょう。また、ジプニーの交通量が多い場所ではjeepney barkersと呼ばれる、ジプニーの行き先を叫んで乗客に知らせたりする役割の人がいることがあります。NO LOADING AND UNLOADINGの標識がある場所は、乗り降りしようとした人も運転手も罰金を取られるので注意しましょう。行先を確認する際は、タガログ語で「Sa 〇〇 po?  /サ 〇〇 ポ」(場所名〇〇までお願いします)と聞くと、そこまで行くかどうかを教えてくれます。
 

②ジプニーに乗り込む

 
チケットはありませんので、目的地に向かうジプニーを見つけたら、そのまま車体に乗り込んでOK!
後方座席に座る場合:乗客は車体後方から乗り込みます。車内は、両端に座席が並び真ん中に通路があります。天井は大変低く、女性でも身体をかがませながら前に進むほどです。席に座る前に発車することもあるので、天井にある手すりに掴まりましょう。また、荷物は席に置かずに、自分で抱えましょう。もし、荷物が大きく、もう1人分のスペースを必要とする場合は、2人分の料金を支払いましょう。
助手席に座る場合:助手席に座れば、運転手へ簡単に運賃を聞くことや支払いをすることができます。助手席に座った場合、基本的にドアはありませんので、振り落とされないように気をつけましょう。
 

③運賃を支払う

 
運賃は初乗りP9~、4km以降は1kmごとにP2.20が加算される計算方法です(2023年6月現在)。最初に、どこまで行くかを伝えると料金を教えてくれます。(もし運転手が遠い場合、周りの人に聞きましょう。気軽に教えてくれます。)

運賃は運転手または車掌に支払いますが、座席が遠い場合は客同士でお金を手渡ししていきます。お金を渡す際には、 「Bayad po. / バーヤッド ポ(支払いです)」 と言って手渡しします。 支払う時も、お釣りをもらう時も、客同士でバトンを渡すようにお金を手渡ししていきます。自分も手渡しに参加できるようになると、あなたも上級者です。
まめ知識①:小銭を用意しましょう!
100ペソ以上のお金は使えないことが多いため、あらかじめ「5ペソ」や「10 ペソ」などのコインを用意しておきましょう。
 

④降りる

 
降りる時は「Para. / パーラ」(降ります)といって天井をコンコンとノックすれば、運転手がその場で車を停めてくれます。
 

3.主なルート

EDSA: EDSAを横断するルート。ケソンシティ、マンダルヨン、マカティ、パサイなどの主要地区を通り、ビジネス街へのアクセスを提供します。

Quezon Avenue to Divisoria:ケソンアベニューからマニラの繁華街であるディビゾリアまでをつなぐルート。キアポやレクトなど活気のある市場を通過します。

Taft Avenue: タフトアベニューも、マニラからパサイへ伸びる重要なルート。大学が集まるエリアやリサール公園やイントラムロス、パサイ・バスターミナルやLRT₋1を利用する際に。

Katipunan Avenue:ケソン市とマリキナ市をつなぐルート。フィリピン大学やアテネオ大学、ミリアム大学などの学生が多く利用します。UPタウンセンターやEastwood Cityなどの商業地区にもアクセスできます。

Pasig to Mandaluyong:パシッグ市とマンダルヨン市をつなぐルートで、オルティガスアベニューを通るため、SMメガモールやシャングリラプラザ、MRT-3などを利用する際に使えるルートです。

これらはマニラ首都圏を走り回るジプニー路線のほんの一部にすぎません。また、ルートは、交通規制やインフラ整備などの事情により、変更されることがあります。

4.新型ジプニーとは?

 

 

人目を引くカラフルな色と派手な装飾で飾られたフィリピン文化のシンボルでもあるジプニーですが、近年では車両の老朽化、交通渋滞、環境問題など、いくつかの問題に直面しています。近代化の必要性を認識したフィリピン政府は、2017年に、車両の安全性、快適性、環境の持続可能性を高めることを目的としたJeepney Modernization Program(ジプニー近代化計画)を発表しました。このプログラムでは、新型ジプニーのデザイン、エンジン排出量、効率化について、基準が設けられました。これを受け、伝統と現代技術を融合させた新世代のジプニーが開発されています。この新型ジプニーは、洗練されたデザイン・内装、座席数の増加や余裕のある通路、エアコンや換気設備の充実などを特徴とし、より快適な車内になっています。また、欧州排ガス規制「ユーロ4」に準拠したエンジンを搭載し、電気自動車やハイブリッド車などのクリーンな燃料を使用することで、二酸化炭素の排出量を大幅に削減し、環境にやさしい乗り物を目指しています。さらに、一部の新型ジプニーでは、USB充電ポート、Wi-Fi接続、CCTVシステムなども装備されているそう。

また、近代化の取り組みは、ジプニーの車体のみにとどまりません。運転手への研修や、免許の取得、厳しい交通安全規制の順守を義務付けることで、プロフェッショナルなドライバーの育成にも力を入れています。

一部の主要都市で、すでに走行している新型ジプニーですが、今後もますます普及することが見込まれます。

 

5.利用する際の注意点

・ スリ、置き引き、強盗、事故などがあるものとしてお考えください。
犯罪や事故に巻き込まれたくない方は、出来るだけ乗らないことおススメします。どうしても乗りたい、もしくは乗らなければならない場合は、十分注意をして乗りましょう。また、スマートフォンの車内での利用はなるべく避けましょう。窓の外から狙われる危険もあるため、貴重品はポケットやかばんの中に。特に、夜間には、乗客のいないジプニーの利用はやめ、不審な乗客がいる場合もすぐに降りましょう。

・ 高価なもの(時計、アクセサリー)を身につけるのはやめましょう。
服装は、出来るだけ粗末なもの(Tシャツ、ズボン、ビーチサンダルなど)を着ましょう。財布は失くしてもいいものを選び、強盗に遭った時は、すぐに財布や携帯電話を差し出して命を守りましょう。なるべく入り口付近に座り、何かがあった時にすぐに逃げられるようにしておくと良いでしょう。(お金を支払うバトン渡しに参加しなくてもよくなるという利点もあります。)

・ 初めて乗る際は、慣れている人と一緒に。
初めて乗る際は、フィリピン人や現地でジプニー利用に慣れている知人と一緒に乗ると安心です。

ジプニーは現地の人でも犯罪に巻き込まれることが多い乗り物です。
利用する際は身の安全に十分に注意しましょう。

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