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大人の学校(大学院・MBA)

 

大学院に入る前にCHECK!

どんな人が大学院に入れるの?まずは入学条件を確認
フィリピンの一般的な大学院に入学するためには、学士号を保持していること、学士課程での良好な平均成績、入学試験の合格、推薦状、そして必要な場合には学士課程以外の経験が要求される。大学院によってはこれらの条件が異なる場合もありますので、入学に関する詳細な情報は入学オフィスに直接問い合わせてみよう。

 

大学院に提出する書類の例(外国人の場合)
必要な書類の数はかなり多く、特に日本の卒業証明書・成績証明書などはフィリピン大使館に認証してもらう必要があり、手続きが少々難解な場合もある。下記に記されているものは一例なので、大学院のAdmissions Officeに直接問い合わせよう。

 

①パスポートサイズの写真(3.5cm×4.5cm、背景は白)を貼付した応募用紙。(ウェブサイトからダウンロードし、印刷して記入)
②同意書(ウェブサイトからダウンロードし、印刷して記入)
③卒業年月日の記載された成績証明書の原本(フィリピン国外の大学卒業生の場合は、フィリピン大使館に認証してもらう必要がある)
④成績登録担当者が証明する累積成績平均値(CGPA)または成績加重平均値(GWA)(成績証明書にどちらも記載されていない場合)
⑤市民権を証明するもの(有効中のパスポートのコピーなど)
⑥資格証明書の譲渡または名誉解雇
⑦大学院進学のための在留資格認定証明書
⑧人事部またはそれに準ずる部署からの推薦状
⑨学業とキャリアの目標を含む自己紹介文
⑩TOEFL/IELTSなどの英語試験の証明書
⑪研究成果物のコピー(博士号取得希望者のみ)
⑫途中編入の場合、最終学歴の成績証明書(原本、不完全)、(2) 修士・法学部の成績証明書(原本または認証済み原本)、博士課程の成績証明書(原本または認証済み原本)
⑬職務経歴書付き雇用証明書

 

 

目的を持ってともに学んだ友人、教授は一生の財産

押見紀子さん

<プロフィール>
1998年に来比。去年会社を退職してSRRV取得。日本の語学関連会社の企画でフィリピンでの大学でのセミナー、留学等お手伝いをしている。趣味テニス。


編集:大学院に行くことになったきっかけを教えてください
私は、夫の赴任に伴いフィリピンに来たのですが、当時は英語がゼロに近い状態でした。日本人の友人と共に英語レッスンを始めたのですが、当時の先生が「何か目的があった方が英語も身につきやすいですよ」とアドバイスをくださいました。幼かった娘がインターナショナルスクールに通い出し、学校行事で先生や娘の友人、そのご両親との会話で英語が必須だと実感しました。そこで当時日本人の間で人気が高かったデ・ラサール大学で英語を勉強しよう、どうせなら、TESL(Teaching English as a Second Language)を研究したいと思い大学院へ進んでみることにしました。専業主婦をしながらの挑戦でした。

 


編集:入学試験はいかがでしたか? またいきなり大学院に入ってご苦労されませんでしたか?
私のころは入学テストは割と基本的な内容で、英語が得意でない人でも合格できるという印象でした。ただ、入るのは簡単でも、途中で脱落してしまう人が多かったように思います。私は教育学部のコースを選んだのですが、幸い周りはみんな親切が方が多く、「来週の宿題は大丈夫?」など友人や教授がいつも暖かく助けてくださいました。ただレポートとなると、例えば他校に赴いて生徒相手に調査を行うなどの活動が入ってきます。人に頼れず自分で頑張るしかなく、やはり大変でした(笑)。

 


編集:フィリピンの大学の修了までの流れは日本と同じですか?
デ・ラサールの場合ですと、二つのパターンがあり、一つは論文は書かないで4つ程テストをパスすれば修了となるコースと、もう一つのパターンはテストの部分までは同様で、更に論文も書くことで博士課程に進むことが可能になるコースです。私は論文のない方を選びました。ただ、それでも毎週のようにレポートを書かなくてはいけません。与えられたテーマに沿ってレポートを提出するのですが、デ・ラサール指定の書き方があり、英語での論文の書き方を習得する授業は、英語が母国語ではない海外からきた生徒は必修でしたので、韓国人や中国人、中東の方々と一緒に授業を受けました。通学期間は2年です。受講数を多くすれば、最短1年半で修了することも可能でしたが、私は無理しないように一学期に2科目を受けるようにしました。デ・ラサールには英語が得意ではない、海外から来た生徒を助けるための部署があり、色々な相談に乗ってくれます。

 

編集:大学院に行って今よかったと思うことは?
やはり、学校に通うことで、普通に生活していただけでは得られない人間関係ができたことですね。もう10年たちますが、いまだに連絡を取り合っている方も多いです。中には教授になっている方もいらっしゃいます。またその時のつながりで新たなお仕事のお話もいただいたり。卒業してからも続くネットワークは一生の財産ですね。

 

 

 

 

 

英語で経営を学ぶことで、グローバルに活躍するスキルが身につく

田中伸一さん

<プロフィール>

兵庫県神戸市生まれ、神戸大学国際文化学部卒業後、2007年ブラザー工業株式会社入社。人事、マーケティング部門を経て、2017年よりフィリピン支社に部門長として赴任。趣味はサイクリングとエレクトーン。座右の銘は「意志あるところに道は開ける」。2022年アテネオ大ビジネススクール修了(MBA)

 

 

編集:フィリピンで大学院に通われた理由を教えてください。

2017年7月にフィリピンに赴任した早々、経営会議や取締役会議に参加したのですが、会議で交わされる議論についていけず、経営の一翼を担うものとして、しっかり経営の勉強をする必要があると感じました。もともと海外でMBAを取得するのは長年の夢でもありました。上司のフィリピン人社長が、フィリピンでの生活を最大限活かすために自身でも取得しているアテネオ大学でのMBA取得を進めてくれたこともあり、私もアテネオを選びました。

 

編集:入学に必要な書類や手続きを教えてください。また、準備期間はどのくらいでしたか?

当時の資料になりますが、日本での大学の卒業証明書・成績証明書が正式に日本の大学から発行されたことをフィリピンの大使館で認証して貰う必要があり、その手続きがややこしかったのを覚えています。全部で18種類の書類等が必要でこれだけで圧倒されそうでしたが、その中で特に手続きが大変だったのは日本の大学関連のもののみでした。

赴任する当時はMBAに進むか決めていませんでしたが、将来いざ進むとなってから帰国して書類の準備をするのは難しいだろう判断し、事前に準備しておきました。2~3ヶ月程かかりました。

 

編集:入学試験はいかがでしたか?

感触としては入学試験が非常に簡単でした。日本の場合、入るのが難しく、卒業が簡単ですが、フィリピンでは逆に入るのは簡単で、卒業までが大変だったと感じています。

試験の内容は、語学試験(英語)、基礎能力検査、そして面接試験でしたが、それほど難しくはありませんでした。面接試験は非常にフランクで、なぜMBA取得を目指そうと思ったのか、なぜアテネオなのか、という点を聞かれました。

 

編集:学費はどのくらいでしたか?

年間の授業料としては約20万ペソ。1学期に1単位取得で、約4万ペソ。年間5学期で年5単位取得、年間約20万ペソ。合計14単位取得、合計では約56万ペソ。ただ、会社がContinuous Education Programという制度を創設し、学費の半分を支援してくれました。私が初めての制度利用者でしたが、現在、その制度を利用して、社員1名がアテネオに通っています。この学費の安さがフィリピンで大学に通う大きな魅力の一つですね。

 

編集:仕事との両立はいかがでしたか?

やはり大変でした。週1回授業を受けていましたが、開始は18時~22時。勤務自体を17時に終えてBGCからロックウェルのキャンパスに向かうのですが、ひどい渋滞にも困らされました。授業後は会社の懇親会やお付き合いもありそれも欠かさず参加しました。

 

編集:苦慮されたことは?

修士論文が厄介でした。非常に厳しい指導の元、何度も書き直しをし、最終的には298ページになりました。私の修士論文のテーマは「会社の将来の中期経営計画策定」。それを実際の業務の中期経営計画に反映し、一石二鳥でもありました(笑)。

アテネオは理論だけでなく実践を重視しており、理論を実際の職場で実践し報告する事が求められます。担当領域の営業・マーケティングだけでなく、アカウンティング・ファイナンス、ロジスティクス、アフターサービスオペレーション、人事、ITの各領域に踏み込んで、自分なりに自社の課題を分析し、改善計画を策定し、それを実践する。すべてが貴重な体験でした。

 

編集:教授にはどんな方がいますか?

先生方は非常にユニークな方が多かったと感じています。色んなバックグラウンドを持っている方が多かったですね。また、アテネオの教授の特長としては実践経験のある方がほとんどでした。おそらくそういった点が教授に求められていたのだと思います。アカデミック一筋ではなく、実際に企業で働いた事のある方がほとんどでした。

 

編集:大学院で得た知見を今後どのように活かしたいですか?

3月末に日本に戻る予定ですが、数年後には今度は海外支店の社長として、興味のあるラテンアメリカで学んだことを実践に生かしたいと思っています。

編集:疲れてるときのモチベーションはどこから?

仕事とのバランスがとれるように、1ターム1単位取得とマイペースに進めたのがよかったと思います。またモチベーションを保つために「いつまでにMBAを取得する」と自分や周りに対して宣言しました。言葉に出すと意識が変わり、意識が変わると行動も変わり、習慣が変わって行くと思っています。

 

編集:どのような方に、フィリピンでの大学院就学を進められますか?

将来の会社経営を担う全ての方に自信をもってお勧めします。日本語ではなく、英語で経営を学ぶことで、フィリピンだけでなく、グローバルで通用する武器を手に入れる事が出来ます。MBAという学位は、生涯にわたって知識と経験を証明するものとなります。ぜひお勧めしたいですね。

 

★Ateneo Graduate School of Business アテネオ・グラデュエート・スクール・オブ・ビジネス

 

 

 

教授視点で見たフィリピンの大学院

生徒のサポートをする学生部長のお話を聞いてみた!

Christine Joy Atotubo-Ballada, Ph.D. クリスティーヌ・ジョイ・アトトゥーボ・バラーダ教授

Office of Student Affairs

De La Salle University - Manila

 

<プロフィール>

統計学、アセスメント、教師教育、教育心理学の分野で20年にわたる教育経験を持つ。フィリピンのマニラにあるデ・ラ・サール大学で教育心理学(定量的方法論)を中心とした哲学博士号と教育測定・評価における理学修士号を取得。現在は、デ・ラ・サール大学のDean Of Student Affairsを務める。



編集:ご自身についてお聞かせください。

FSC教育学部カウンセリング・教育心理学科とAndrew Gonzalez FSC College of Educationのカウンセリング・教育心理学科の専任教員をしています。 また、現在はデ・ラ・サール・マニラ校(以下DSLU)の学生部長を務めています。 


編集:学生部長としての職務をお聞かせください。

学生の全人的発展と幸福・健康を目的としたプログラムやサービスを提供する大学の学生課の担当をしています。 私の役割は、学生課のサービスやプログラムが適切に提供され、日々進化していく学生のニーズに対応できるようにすることです。

 


編集:留学生をサポートするために、学校の管理職として具体的にどのような活動をされていますか?

学校管理者は、留学生の幸福と学問的成功を保証するような方針を立て、実施することが留学生の支援になると考えています。 これらの方針は、留学生がタイムリーに学位を取得できるような学問的ガイドラインであったり、学問以外のサービスやプログラムであったり、留学生が学問的コミュニティの他のメンバーとつながりや帰属意識を持てるようなものです。

 


編集:デ・ラ・サール・マニラ校での学習はどのようなものになるのでしょうか?

DLSUは、学習者中心の研究型大学として知られています。 つまり、留学生はここで研究能力を磨き、教室の壁の内側と外側の両方で学習が最大になるように指導を受けます。

 


編集:フィリピンの大学院で勉強することを希望する留学生に一言お願いします。

DLSUは包括的な大学です。 異なる背景や国籍を持つすべての学生を歓迎します。 DLSUでは、各分野の専門家である優秀な教授陣と出会い、共に研究することができます。 ここで彼らは自分のスキルを伸ばし、新しいスキルを身につけることができます。 しかし、それ以上に重要なのは、DLSUは教育プログラムとサポートサービスを通じて、学生の幸福をトータルに考えていることです。

 

 

https://primer.ph/freepaper/back-number/vol-179/

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