フィリピンの郵便
250年以上の歴史を持つフィリピンの郵便制度は、現在ではPHLPostとして広く知られ、多くの人々に利用されています。デジタル化された現代においても、PHLPostはフィリピン人、特に地方に住む人々にとって、信書や小包を送るときの重要な配送手段の一つとして利用されています。ここでは、PHLPostのサービスの種類や利用方法をご紹介します。
画像：Pexelsより
郵便サービスの種類
PHLPostのサービスは、【Document(書類)】と【Goods or Merchandise(商品・製品)】の2種類に分類されます。書類とは、手紙、はがき、その他の2キログラム以下の書類を指します。一方、商品・製品は、食品、ハンドメイド商品、衣類、書籍、その他の書類など、2キログラムを超えるものであることが多いです。どちらも、全国にある郵便局を通して送られ、PHLPostによって国内または海外に配達されます。
国内配送
【Document Delivery Services】
書類の郵送には、以下の4つのサービスがあります。
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Ordinary(普通) |
急ぎでないハガキや手紙を送る場合に利用する、普通郵便。書類を追跡することができないので要注意。 |
| Tracked(追跡) | 追跡サービス。PHLPostのPostal Track and Traceで追跡番号を入力することで郵便物の配達状況を確認することができる。 |
| Registered(書留) | 機密文書や機密性の高い文書に向いている書留サービス。追跡、配達証明が含まれており、法的手続きで必要とされる唯一の配達サービスとして認められている。 |
| Express(速達) |
速達サービス。一部のエリアのみ利用可能。 |
【Goods or Merchandise Delivery Services】
商品の郵送には、以下の3つのサービスがあります。
| e-Packet | オンライン販売等でよく利用されるサービス。 |
| Express Post | 生鮮食品などを扱う場合によく利用されるサービス。一部の地域のみ利用可能。 |
| Parcel Post | 追跡可能な宅配サービス。全国対応で、最速（航空小包）、最安（定形小包）、最も安全（保険付き小包）な方法として選ぶことができる。 |
国際郵便
フィリピンから海外に書類や商品・製品を送る場合、国際スピード郵便（EMS）を利用することができます。EMSは、フィリピンが二国間協定を結んでいる国であれば、書類や商品など様々な品目を送ることができ、品物を海外に送るための最速の選択肢として知られています。現在、フィリピンは45カ国と二国間協定を結んでおり、日本も含まれます。
郵便料金
郵便料金は、配送サービスの種類、配送先住所、品物の重量など、多くの要因によって異なります。国内・国際料金を含む郵便料金の最新情報は、こちらからご覧いただけます。
追跡
画像：PHLPost公式サイトより
2018年、PHLPostはウェブサイト上でリアルタイムに郵便物を追跡できるTrack and Traceシステムを開始しました。これはtracking.phlpost.gov.phからアクセスできます。また、海外からの郵便物や小包が指定した地域の郵便局に到着したかどうかも追跡システムで確認することができます。
郵便局
郵便局は通常、お住まいの地域の市役所または市役所の周辺にありますが、NAIAのターミナル1・2やフィリピン各地のショッピングモール内にもあります。マニラ首都圏では、中央郵便局はもともとマニラ市エルミタにありますが、以下の場所にもあります。
【主な郵便局】
営業時間：午前8:00～午後5:00（月曜～金曜）
| Makati City Hall | J. P. Rizal Street, Brgy. Poblacion, Makati City |
| Makati Central Post Office | Ayala corner Buendia, Makati City |
| FTI (Food Terminal Incorporated) | FTI Complex, South Super Highway, Taguig City |
| SM Aura | 26th Street corner McKinley Parkway, BGC, Taguig City |
| Market! Market! | Market Market Place, McKinley Parkway, BGC, Taguig City |
| Taguig City Hall | General Luna Street, Taguig City |
| Taguig Central Post Office | Lower Bicutan, Taguig City |
※マニラの主要ホテルでは、ビジネスサービスの一環として郵便サービスを提供しているところもあります。旅行や出張中に郵便物を出したい場合は、滞在中のホテルに尋ねてみましょう。
郵便物の出し方・受け取り方
PHLPostのサービスを利用して書類や品物を送るには、郵便局でPostal Declaration Form（郵便申告書）に記入する必要があります。荷物が正しい場所に確実に届くよう、郵便番号を含む受取人の完全な住所を確認してください。郵便番号は、PHLPostのウェブサイトのZip Code Locatorで確認することができます。
また、送り主は少なくとも1点の有効な身分証明書を提示する必要があります（Documentの場合は不要）。PHLPostが2点の有効な身分証明書を要求する地域もあるので、手持ちの身分証明書を持参するのが良いでしょう。
原則、小包は自宅まで届かず郵便局に受け取りに行くケースが多いです。受取人には、PHLPostから小包を受け取る準備ができたという通知が届きます。この通知は、多くの場合、郵便局に持ち込む際に送り主が指定した住所に送られます。PHLPostの通知書、有効な身分証明書、PHLPostのウェブサイトから追跡状況を証明するものを持参し、郵便物を受け取ります。この通知が遅れたり、届かなかったりする場合もあるので、追跡を随時確認し、直接郵便局を訪ねるのが効率的な方法です。Documentの場合は、基本的に自宅まで届けられます。
受取人または荷物を受け取る人は、手数料としてP112を支払う必要があるため、荷物を受け取る際には現金があると便利です。また、P10,000を超える品物には関税がかかり、受取人が支払う必要があります。自分で受け取りに行けない場合は、Authorization Letter（委任状）を作成し、受取人を証明するもの（パスポート、IDカード、免許証のいずれか）を提示して、代理人が受け取ることも可能です。
