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フィリピンコンビニエンス・ストア、収益力格差も更に拡大

2018年4月24日

フィリピンの大手コンビニエンスストアの2017年(1月~12月)の業績動向が明らかになってきた。フィリピン証券取引所(PSE)上場のフィリピンセブン(セブンイレブン運営企業)は4月5日に年次報告書を発表したほか、その他の企業の収益動向は現地パートナー企業の事業報告書等に部分的に記載されている。

 

比の主な日系コンビニ店舗数(年末・月末値、この時点で比セブンイレブンは資本的に非日系企業 )

年・月 12年 13年 14年 15年 16年 17年 18年
3月 6月 9月 12月 3月 6月 9月 12 月 3月
セブンイレブン 829 1,009 1,282 1,602 1,655 1,740 1,840 1,995 2,031 2,087 2,172 2,285 N.A.
ミニストップ 337 386 454 519 518 513 501 499 493 491 489 496 489
ファミリーマート 0 31 87 120 104 102 101 99 81 72 68 66 64
ローソン 0 0 0 16 17 19 24 29 30 32 33 31 34

(出所:各社資料より作成、ミニストップとファミリーマートは日本側発表数値、ローソンはサイト等からの推計値) 

 

首位のセブンイ レブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが52.216%(2017年9末現在)を所有するフィリピン・セブン社 (PSC)によって運営されている。PSCは1982年11月に設立され、1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。その後、店舗網拡充に注力、2013年末に1,000店の大台を突破、2016年末には1995店に達し、フィリピンでの24時間営業のブランド・コンビニエンスストア店舗数シェア約60%を 誇っている。このPSCは1998年2月4日にフィリピン証券取引所(PSE)に上場した。

 2017年も店舗数が順調に増加、3月8日に2千店を突破した。年間では290店純増、2017年末で2,285店となり、前年末の1,995店から率にして14.5%増加した。2016年以降は店舗数の減少が続くミニストップ(2017年末496店)やファミリーマート(同66店)との差を拡大させている。
 2017年末のセブンイ レブン2,285店の地域別内訳はルソン地域1,802店(うちマニラ首都圏879店)、セブを中心とするビサヤ地域313店、ダバオを中心とするミンダナオ地域170店となっている。また自営店が46%、54%がフランチャイズ店となっている。

 このようなPSCによるセブンイレブンの2017年(1月~12月)のグループ総売上高(システムワイドセールス)は前年比18.2%増の375億3,075万ペソ、商品売上高は同13.2%増の320億8,844万ペソに達した。増収効果や効率化効果などにより、税引前利益は同12%増の19億1,583万ペソ、純利益は同12.1%増の13億1,790万ペソとなった。下表の様に、年間ベースの純利益は順調に増加してきている。

 

  フィリピンのセブン・イレブン店舗数(年末)とPSC年間純利益推移(単位:百万ペソ)

時期 06年 07年 08年 09年 10年 11年 12年 13年 14年 15年 16年 17年
店舗数 287 311 368 447 551 689 829 1,009 1,282 1,602 1,995 2.285
純利益 20.1 54.8 84.3 155.8 276.9 356.3 465.2 682.6 873.3 1,008.3 1,175.5 1,317.9

(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)

 

一方、日系ブランドで当地第2位のミニストップは、ロビンソンズ・コンビニエンス・ストアーズ(RCSI)によってフランチャイズ展開されている。RCSIは、三菱商事、ミ ニストップ株式会社、ゴコンウェイ・ファミリー傘下のロビンソンズ リテイル(RRHI)グループとの共同事業である。2000年にRCSIとミニストップ本社との間でカントリー・フランチャイズ契約が正式締結され、2000年12月にミニストップのフィリピン1号店がオープンした。RRHIは2013年11月にフィリピン証券取引所(PSE)に新規上場された。

 

その他の記事

フィリピン証券取引所(PSE)は、4月17日、2018年3月末のPSE主要株主名簿を公表した。PSE上場企業は四半期ごとに主要株主に関する報告を義務づけられている。PSE自身もPSEに上場(上場日は2003年12月15日)にしており、他の上場企業と同様な情報公開義務がある。

東ソーは、コア事業である「ビニル・イソシアネート・チェーン」事業強化の一環として、2015年に、フィリピンのソーダ製品の製造・販売会社であるマブハイ・ビニール・コーポレーション(MVC社、フィリピン証券取引所{PSE}上場)の株式を追加取得し、子会社化した。

このニッシンURCの業績が好調に推移している。URCの2017年アニュアルレポート(年次報告書)などによると、ニッシンURCの2017年(1月~12月)の売上高は前年比17%増の51億0,300万ペソ、純利益は同18%増の5億5,900万ペソと二桁増収増益となった。

フィリピン航空(PAL)は今年2月、、英国SKYTRAX(スカイトラックス)社が運営するワールド・エアライン・レーティングにおいて、4つ星(4スター)航空会社として認定された。現在、スカイトラックスの4つ星航空会社として約40社が認定されているが、フィリピンの航空会社の4つ星認定は、PALのみである。

フィリピン財務局の発表した速報値によると、2018年2月の財政収支は、歳出の拡大で前月の黒字から一転して617億ペソの赤字となった。この結果、2018年2カ月間(1月-2月)の累計で515億ペソの赤字となった。

千石(本社所在地:兵庫県加西市)は、2018年5月に、フィリピンのルソン島ラグナ州カランバのライト・インダストリー & サイエンス・パーク II (LISP II) に設立したSENGOKU PHILIPPINES INCおいて、中国の東莞工場・恵州工場に続く、新たな製造工場を稼働させる。 

ファーストリテイリングはフィリピンにおけるユニクロ店舗の出店、運営を目的として、2012年1月にSM リテール社と共同出資して合弁会社「ファーストリテイリング・フィリピン社(FRPI、所在地:マニラ首都圏パサイ市、当初資本金:4億ペソ)を設立した。ファーストリテイリングの出資比率は75%である。

フィリピンでは、ハンバーガーのジョリビーが、国民食とまで称されるほどの圧倒的な支持を得ている。マクドナルドがハンバーガー市場でトップになれない唯一の主要国がフィリピンでもある。ジョリビーのシェアは約50%と見られる。

タイのホテル・不動産開発企業「デュシット インターナショナル」がASAI (アサイ)という新たなホテルブランドを発表した。ASAI ホテルは好奇心旺盛なミレニアル思考の旅行者を対象に、世界中の活気ある都市やリゾート地でリアルなローカル体験を味わえる場を提供する。

フィリピンでもコンビニエンス業界の競争が激化しつつある。
現在は業界断トツのセ ブンイレブンをマーキュリー・セルフサービス、ミニストップ、ファミリーマートなどが追うという構図になっている。2015年3月にはローソンもフィリピン1号店をオープン、2017年年初に30店台を突破した。

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