フィリピンの大手コンビニエンスストアの2017年(1月~12月)の業績動向が明らかになってきた。フィリピン証券取引所(PSE)上場のフィリピンセブン(セブンイレブン運営企業)は4月5日に年次報告書を発表したほか、その他の企業の収益動向は現地パートナー企業の事業報告書等に部分的に記載されている。
比の主な日系コンビニ店舗数(年末・月末値、この時点で比セブンイレブンは資本的に非日系企業 )
年・月 |
12年 |
13年 |
14年 |
15年 |
16年 |
17年 |
18年 |
3月 |
6月 |
9月 |
12月 |
3月 |
6月 |
9月 |
12 月 |
3月 |
セブンイレブン |
829 |
1,009 |
1,282 |
1,602 |
1,655 |
1,740 |
1,840 |
1,995 |
2,031 |
2,087 |
2,172 |
2,285 |
N.A. |
ミニストップ |
337 |
386 |
454 |
519 |
518 |
513 |
501 |
499 |
493 |
491 |
489 |
496 |
489 |
ファミリーマート |
0 |
31 |
87 |
120 |
104 |
102 |
101 |
99 |
81 |
72 |
68 |
66 |
64 |
ローソン |
0 |
0 |
0 |
16 |
17 |
19 |
24 |
29 |
30 |
32 |
33 |
31 |
34 |
(出所:各社資料より作成、ミニストップとファミリーマートは日本側発表数値、ローソンはサイト等からの推計値)
首位のセブンイ レブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが52.216%(2017年9末現在)を所有するフィリピン・セブン社 (PSC)によって運営されている。PSCは1982年11月に設立され、1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。その後、店舗網拡充に注力、2013年末に1,000店の大台を突破、2016年末には1995店に達し、フィリピンでの24時間営業のブランド・コンビニエンスストア店舗数シェア約60%を 誇っている。このPSCは1998年2月4日にフィリピン証券取引所(PSE)に上場した。
2017年も店舗数が順調に増加、3月8日に2千店を突破した。年間では290店純増、2017年末で2,285店となり、前年末の1,995店から率にして14.5%増加した。2016年以降は店舗数の減少が続くミニストップ(2017年末496店)やファミリーマート(同66店)との差を拡大させている。
2017年末のセブンイ レブン2,285店の地域別内訳はルソン地域1,802店(うちマニラ首都圏879店)、セブを中心とするビサヤ地域313店、ダバオを中心とするミンダナオ地域170店となっている。また自営店が46%、54%がフランチャイズ店となっている。
このようなPSCによるセブンイレブンの2017年(1月~12月)のグループ総売上高(システムワイドセールス)は前年比18.2%増の375億3,075万ペソ、商品売上高は同13.2%増の320億8,844万ペソに達した。増収効果や効率化効果などにより、税引前利益は同12%増の19億1,583万ペソ、純利益は同12.1%増の13億1,790万ペソとなった。下表の様に、年間ベースの純利益は順調に増加してきている。
フィリピンのセブン・イレブン店舗数(年末)とPSC年間純利益推移(単位:百万ペソ)
時期 |
06年 |
07年 |
08年 |
09年 |
10年 |
11年 |
12年 |
13年 |
14年 |
15年 |
16年 |
17年 |
店舗数 |
287 |
311 |
368 |
447 |
551 |
689 |
829 |
1,009 |
1,282 |
1,602 |
1,995 |
2.285 |
純利益 |
20.1 |
54.8 |
84.3 |
155.8 |
276.9 |
356.3 |
465.2 |
682.6 |
873.3 |
1,008.3 |
1,175.5 |
1,317.9 |
(出所:フィリピン・セブン資料などより作成)
一方、日系ブランドで当地第2位のミニストップは、ロビンソンズ・コンビニエンス・ストアーズ(RCSI)によってフランチャイズ展開されている。RCSIは、三菱商事、ミ ニストップ株式会社、ゴコンウェイ・ファミリー傘下のロビンソンズ リテイル(RRHI)グループとの共同事業である。2000年にRCSIとミニストップ本社との間でカントリー・フランチャイズ契約が正式締結され、2000年12月にミニストップのフィリピン1号店がオープンした。RRHIは2013年11月にフィリピン証券取引所(PSE)に新規上場された。