フィリピンの大統領、ドゥテルテ大統領の絵を描きフィリピンで注目を集めた日本人アーティストのAYUMIさん。
2016年のフィリピン大統領選でドゥテルテ氏の選挙活動を応援するため、無料でダウンロードできるドゥテルテ氏の肖像画をアップロードしたところ多い日で5,000回ものダウンロードがあったそう。
現在フィリピン人向けのFacebook ページには、4万人以上のフォロアーを持つほどの人気ぶり。そんな彼女がドゥテルテ氏の絵を描くことになった理由とは? 現在進行中の3Dアートプロジェクトのため、マニラを訪問されているAYUMIさんにお話しを伺いました。
(写真)3Dアートで目の不自由な方にもアートをと願うAYUMIさん
AYUMIさんは以前から様々な国で活動されていますが、そのきっかけは?
アパレルの会社で働いていたときにインドやバリ島に工場があり、その頃からよく出張に出ていたので海外には興味がありました。その頃Tシャツのデザインなどしていたのですが、やはり売れる事を意識したデザインをしなければならず。もっと自分が描きたいものを表現したいと思うようになり、会社を辞めて1ヶ月間NYで過ごしました。
その時に1回きりの人生、やっぱり自分が描きたい絵を描きたいと思いひたすら絵を描いてきました。なんな中で、海外の方は日本人より絵に対して距離感が近いと感じて。「どうしてこう描いたの?」など興味を示してくれ、絵を通してコミュニケーションが生まれるのです。
それで、もっと海外で活動したいなと思うようになりました。
フィリピンに初めて来られた場所は、セブだそうですね?
フィリピン人の友人がセブにいる親戚に私の絵を見せてくれたことがきっかけで、セブの大学でライブペイントを行うことになりました。その様子は現地の新聞にも取り上げて頂き、とても歓迎してもらえ同時に私もフィリピンが大好きになりました。
初めてのセブの印象は?
2015年の9月の事でセブについてまだ何も知らなかったので、リゾートのイメージしかなく治安の問題や諸々整備されていない事などを知り驚きました。その反面、どんな環境でも人々は前向きで、皆楽しそうに暮らしています。どうして国の発展が遅れていたり、問題が多いんだろう?と、疑問に思い直接現地の方々に聞いてみました。すると、政治家や警察官といった国を守るべき人たちの汚職が蔓延していると。日本では考えられないようなことが、普通に起きていると聞かされました。
その時にドゥテルテ氏の事もお知りになられたのですか?
フィリピン人の友人含め、セブの人々から教わりました。国の上層部が変わらないと国も変わらないという話と同時に、ダバオ市長のドゥテルテ氏という実行力がすごいリーダーがいるという事を。暴言を吐くけどやることはちゃんとしていて、ダバオ市がどんなに安全な街かということを知り、その偉業に感動しました。そして自分でも彼についてネットなどで調べ、救急車を24時間無料にしたりガンの子供に施設を提供されたりといった事を知りました。
そんなドゥテルテ氏の絵を描く事になられたのは何故ですか?
セブでは本当に純粋で素敵な方々との出会いがあり、お世話になったので何か恩返しができないかと帰国後考えていました。更にまだまだ自分も成長過程な中、フィリピンもこれからどんどん良くなっていくだろうと言われていてフィリピンはどこか自分とリンクする部分があり。その後、ドゥテルテ氏が大統領選に出馬されている事を知り、フィリピン人の友人からの提案でドゥテルテ氏の絵を描くことになりました。
その時、日本含め海外の報道では、ドゥテルテ氏の悪い面ばかりが強調されていて。でも大統領選は、フィリピン国民にとっては国の変革となる重要な問題で、それを応援したいと思いました。そこで、ニュースでは報道されていないドゥテルテ氏が子供や弱い立場の人々に優しい側面を描きたいと。そしてドゥテルテ氏の絵を描いてSNSにアップしたところ、どんどんシェアが広がり多い日で5,000回ものダウンロードがありました。さらに選挙活動中の演説の際には、背景としても使用して頂きました。フィリピン国民の方々からは本当に多くの反響があり、たくさんのメッセージを頂いたりもしました。
実際ダバオも訪れられたそうですね?
ドゥテルテ氏が大統領に決まった後、祝福してダバオでライブペイントをして下さいと招待され昨年の夏に初めて訪れました。そして、市に絵を寄与したところ、多くの方がドゥテルテ氏に会わせようと協力してくださり10月にマラカニアン宮殿にてセレモニーが行われることに。現在もマラカニアン宮殿のミュージアムにその時の絵が展示されています。
現在進行中の3Dアートのプロジェクトについてお伺いできますか
昨年の12月、クリスマスの時期にチャリティーイベントに参加するため、再びダバオを訪れました。その時に盲目の男の子に出会い、この子には自分の絵が見えないのだと知ったときに何か方法はないものかと考えるようになりました。目の不自由な方にもアートを届けるにはどうすればいいのかと。そして帰国後、3Dの技術によって目の見えない方にもアートを楽しんでもらえるようにと、研究されている先生を紹介されました。その方はイタリアからノウハウを得て、3Dアートを日本に広めようとされていました。その話を聞いて、自分でも作ってみたいと思い。3Dプリンターを使用した3Dアート作品で、目の不自由な方にもアートを届けようという今回の「手でみる絵画」プロジェクトを立ち上げました。
クラウドファンディングの目標金額には達成できなかったのですが、不足分は自分たちで補ってプロジェクトを達成することになり、その3D作品を今回新たに寄贈させて頂きます。
このプロジェクト終了後もフィリピンとの関わりは続けられるのですか?
今まで香港やオランダ、ボリビア、エジプトなど世界中で活動してきましたが、フィリピンと出会ってからはフィリピンがメインに。もちろんこれからも深く関わっていきたいと思っています。フィリピンに来れば元気がもらえ、心が明るくなれる。日本人にはない部分をフィリピン人から学ぶことも多いです。フィリピンには本当に良くしてもらっているので、私に何かできることがあればアプローチしていきたいと思っています。
今計画しているのは、盲目学校の壁に壁画を描かせて頂き、興味のある生徒には参加してもらって一緒に完成させたいと思っています。
また、フィリピンでは画家というのは職業としてまだまだ認められていないので、これからは絵を描くことが好きな人々にもっとチャンスが生まれることを願っています。
これからも、ますますの活躍が期待できるAYUMIさん。今週の25日には新たな3D作品の贈呈式がマラカニアン宮殿にて行われます。
フィリピンとの偶然の出会いから、今後もフィリピンと日本を繋ぐ架け橋として活動されます。
AYUMIさんの作品は、下記リンクからご覧ください。
Facebook:AYUMI(日本語)/Ayumi Endo – Philippines(英語)
Twitter:AYUMI_Painter
- 「ニックネーム」 Ami
- 「自己紹介」 ファッション、洋楽ロック、
- 洋画が大好きです!
- 初めてマニラに上陸しました。