生活商品ブランド無印良品(MUJI)のデザイン担当顧問でグラフィックデザイナー専門家である原研哉氏が、フィリピンに初訪問し、マカティ市のAyala Museumでデザインについて、講演を行った。
2018年10月22日にマカティ市Ayala Museumで行われたデザインについて原研哉氏の講演
「無 - MUJIのデザイン哲学(Emptiness - The Design Philosophy of MUJI)」と題された原研哉氏の講演は、MUJIブランドの歴史とコンセプトが中心。無印良品(MUJI)は、「ブランドを持たない」企業として知られ、日本が持っている簡素さを元にデザインを起こしている。MUJIは、Greenbeltを含みメトロマニラ内に店舗展開している。
生活商品ブランド無印良品(MUJI)のデザイン担当顧問でグラフィックデザイナー専門家である原研哉氏
講演では、無とは神が存在する場所であり、無のコンセプトとは神聖であると説明された。無が創造の源として日本の神社仏閣もデザインされている。無は、どんな事からも解放されており、従って、創造の場となりうる。
(左から)原研哉氏著 ガラパゴス、雪と氷にも似たデザインの長野冬季オリンピック(1998年)開会・閉会式プログラム
MUJIブランドのデザイン総責任者である原研哉氏は、MUJIのデザインは、簡素で必要最小限まで省いたスタイル、そして無を原則としていると説明した。原氏は、また、近年、MUJIがガラパゴス島を冒険する旅を「ガラパゴス」という本に執筆している。これは、非文明の自然に触れる事で発見される人間としての生活と幸せを再考するという企業プロジェクトを執筆したものだ。
ガラパゴス(2018)この企業広告キャンペーンは、ユニークさと進化の観点で、MUJIの商品とガラパゴス島の創造物との類似性を、ガラパゴス島で発見する冒険の旅を表現している。
MUJIの原研哉氏は、マニラのDe La Salle大学のTeresa Yuchengco Auditoriumを初訪問し、学生に講演を行った。その夜には、著名なデザイナー、来賓、メディア等をマカティ市Ayala Museumに招待し、デザインについての講演をした。その後株式会社良品計画(MUJI)代表取締役社長 松崎暁(さとる)氏が社歴等についてスピーチを行った。