2025年1月2日
証券取引所(PSE)、債券取引所管轄のPDS買収で合意
フィリピンにおける長年の懸案であるフィリピンにおける株式取引所と債券取引所の統合化構想、実現に向けて大きく前進した。
現在フィリピンでは、株式や株式に絡んだ派生商品(ワラントなど)の上場・売買はフィリピン証券取引所(PSE)が管轄している。一方、債券や固定利付き商品の上場・売買等に関しては、フィリピン デーリング システム ホールディングス社(PDS)傘下のフィリピン・ディーリング&エクスチェンジ社が運営する電子債券取引所(PDEx)が担当している。PDSは株式および債券の保管業務を行うフィリピン預託信託社も所有している。
現在のPDSの株主構成は、フィリピン銀行協会(BAP)とその関連企業28.83%、PSE 20.99%、シンガポール証券取引所(SGX)20%、タタ コンサルタンシーサービス(TCS)アジア8%、ウィスラー テクノロジーサービス(ウィスラー)8%、サンミゲル(SMC)4%、フィリピン アメリカンライフ&ジェネラルインシュアランス(フィーラムライフ)4%などである。みずほ銀行も0.08%、フィリピン投資銀行協会も0.65%、ゴールデンアストラ キャピタルも0.36%保有している。
PSEは、2024年12月26日、PDSの主要株主との間で、PDS株式合計約387万株(発行済み株式の61.92%相当)を、1株当たり600ペソ、総額23億2,218万ペソで追加取得することで合意、基本合意書に署名した。PSEのPDS保有比率は現在20.98%、追加取得が完了すると83.90%に高まり、PDSの支配株主となる。これにより、PSEは株式関連取引所と債券関連取引所の双方を統合的に保有・管轄することになる。
12月26日に保有するPDS株式全株をPSEへ売却することに合意したのは、BAPとその関連企業、SGX、サンミゲル、ウィスラー、みずほ銀行、フィリピン投資銀行協会、ゴールデンアストラ キャピタルの7機関である。
この動きに関して、PSEのラモン・モンソン社長兼CEOは、「株式取引所と債券取引所の統合という目標に近づく重要な一歩である。統合によるシナジーと効率性向上により、フィリピン資本市場の成長と発展に寄与できると確信している。また、新しい金融商品の導入やリスク管理プロセス強化を通じてより多くの価値を提供することが期待される」とコメントした。