2017年5月23日
フィリピンのIR(統合型リゾート、カジノリゾート)への注目度が高まり、新興カジノリゾート運営企業の業績が急改善している。
2015年は、メインターゲット市場の一つである中国との関係が南シナ海領有権問題などで悪化、その中国の景気鈍化や政府による海外への人民元持ち出し額規制もあって業績が悪化した。しかし、2016年は年央に誕生したドゥテルテ新政権の中国との関係改善への方針転換等を背景に中国人訪問者が急増(前年比37.7%増の)67万5,663人、外客数シェア11.3%で日本人の9.3%を抜き3位に浮上)、ライバルともいえるオンラインゲームに対する規制厳格化の動きなどカジノリゾートを取り巻く環境が好転したことなどで、カジノリゾート運営企業の業績は改善傾向となり、2017年第1四半期はその改善傾向がさらに強まっている。
フィリピン政府は、国家プロジェクトとして観光事業を強力に推進することを目的に、マ二ラ首都圏パラニャーケ市のマニラ湾岸湾沿いの埋立地に「エンターテイメントシティ」を創設しつつある。そこでは、4グループの大規模複合カジノリゾートの開発が行われており、既に3グループによるカジノリゾートがオープンしている。
その4グループの一つがエンリケ・ラソン氏傘下のブルームベリー・リゾーツ(ブルームベリー、フィリピン証券取引所{PSE}上場)である。このブルームベリーによる大型カジノリゾート「ソレア・リゾート&カジノ」(ソレア)は2013年3月に開業した。2016年の純収入は前年比21%増の304億ペソ、最終損益は23億2千万ペソの黒字となり、前年の33億7千万ペソの赤字から急改善した。