2020年5月11日
トヨタ自動車は、5月8日、「フィリピンで新型コロナウイルス感染症の診断・治療などに携わる医療従事者向けのオンデマンド送迎サービスを開始する」と発表した。
それによると、トヨタ・モビリティ基金(TMF)は、「ココロハコブプロジェクト」の一環として、4月中旬から新型コロナウイルス感染症の診断・治療などに携わる医療従事者向けのオンデマンド型シャトルバスの送迎サービスをタイのバンコクで取り組んでいるが、このシャトルバス運行システムを活用し、5月8日からマニラでも同サービスを開始する。期間は、3カ月間を予定している。
このプロジェクトは、トヨタ・モーター・フィリピン(TMP)とトヨタ ダイハツ エンジニアリング&マニュファクチャリングの運営支援を受け、フィリピン最大級の国立病院であるフィリピン総合病院(Philippine General Hospital)に勤務する医療従事者を対象に、通勤の負荷軽減、感染予防を目的とし、衛生的なシャトルバス10台をオンデマンドで運行する。
通勤者が携帯電話のアプリから乗降場所と乗車時間を指定すると、シャトルバス内の座席が予約され、乗降場所は通勤者の自宅近くを指定できるので、通勤の負担が軽減される。シャトルバスは、複数の利用者からの要望を踏まえた最適なルートを選定して運行される。また、車内に空気清浄機を設置し、定期的なシートカバー交換、頻繁な清掃など衛生管理が行われ、車両の乗客数を制限するなどのガイドラインにも従う。
TMFは、2014年8月の設立以来、豊かなモビリティ社会の実現とモビリティ格差の解消に貢献することを目的に、タイ、ベトナム、インド、ブラジルでの交通手段の多様化や、日本の中山間地域における移動の不自由を解消するプロジェクトへの助成のほか、障害者向けの補装具開発を支援するアイデアコンテストの実施、水素研究の助成、人工知能による交通流最適化の共同研究など、世界のモビリティ分野における課題に取り組んでいる。
なお、「ココロハコブプロジェクト」とは、東日本大震災の被災地を支援するために、全国から「心を運ぶ」という気持ちを込めて、トヨタ自動車、トヨタ販売店及びその従業員が、継続的かつ長期的に実施してきた支援活動の総称である。今回は、新型コロナウイルス感染症闘病者、日夜奮闘している医療従事者・政府・自治体関係者に対して、何か貢献できないかとの思いから、トヨタグループが力を合わせて取り組む支援活動の総称を「ココロハコブプロジェクト」とした。