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【フィリピン経済ニュース】大統領のアヤラ等への敵対姿勢に変化、謝罪も

2020年5月6日

これまで、ドゥテルテ大統領は、アヤラやメトロパシフィックなど一部の財閥に対し、敵対的ともいえる強硬なスタンスを示してきた。

その直接的な発端は、民間水道企業2社と政権との軋轢といえよう。マニラ首都圏上下水道局(MWSS)の首都圏上下水道事業民営化においてその事業を引き継いだ民間水道企業2社とMWSSとの間で、2013年に水道料金改訂に関して対立が生じ、国際商業会議所(ICC)国際仲裁裁判所の仲裁を依頼するまでに至った。国際仲裁裁判所は民間企業に有利な判決を下し、国家やMWSSの敗訴といえる結果となった。

このような国と民間水道企業との係争にくわえ近年の首都圏での断水・水不足問題の長期化などを背景に、ドゥテルテ大統領が民間水道2社に不快感を示し、免許剥奪や契約方式の見直しの可能性などを仄めかした。

首都圏東側で上下水道事業を行っているのはアヤラ系のマニラウォーター。2019年はマニラウォーターの株価急落、さらには親会社のアヤラコーポレーション(アヤラコープ)の株価下落が目立った。一方、首都圏西側で事業を行っているのはマイニラッドウォーター。マイニラッドウォーターは非上場であり、出資しているDMCIやメトロパシフィック・インベストメンツ(MPIC)の株価下落が目立った。 大統領は、水道企業の親会社や出資企業に対しても非常に強硬なスタンスを示すようになり、これらの企業の幹部の逮捕や拘束まで仄めかすようになった。

ところが、5月5日、大統領は、水道企業の事業権更新に前向きな方針を示すとともに、アヤラグループやMPICグループに対して、新型コロナウイルス対策への多大なる協力に謝意を表するとともに、これまでの強硬な姿勢に関して謝罪した。アヤラグループは新型コロナウイルス対策に既に55億ペソを寄付、様々な支援を行ってきている。また、MPICグループは、検疫サイトの構築において政府と提携しており、個人用保護具、アルコール、衛生キット、ビタミン、救援パック、調理済み食品、水筒、輸送手段を提供することにより、最前線の労働者をサポートしている。

このようなドゥテルテ大統領の動きにより、5月5日の株式市場で関連企業の株価が急騰した。前日終値比でアヤラコープは14.7%上昇、MPICは13.6%上昇、マニラウォーターは12.1%上昇と大型株らしからぬ急騰を見せ、相場全体を大幅上昇させた。

一方、大統領や政権に対する批判的な姿勢が目立つとして、大統領が強硬姿勢を示してきた大手放送局ABS-CBNは、5月5日、国家通信委員会より全面的放送禁止を命じられ、現時点で、すべての放送を停止しており、上記グループとは対照的な状況となっている。

 

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