2021年9月30日
経済産業省は、日本の企業の国際展開や、海外での業況を把握することを目的に、日本企業の海外現地法人の海外事業活動に関する調査を実施し、四半期毎に公表している。この度、2021年4~6月(2021年第2四半期)の調査結果を取りまとめ、9月24日に発表した。
2021年4月~6月(第2四半期)の結果は、新型コロナ感染拡大やその対策としての地域隔離措置に伴う移動・外出制限、経済活動制限の影響を最大限に受けた前年の反動で、好結果となった。概要は以下のとおり。
1.売上高
世界全地域での売上高は前年同期比(以下同様)49.1%増の3,033億米ドルと3期連続の増加となった。構成比の高いアジア(構成比52.2%)は40.3%増の1,585億米ドルと3期連続の増加となり、特に輸送機械が大幅増加となった。北米(構成比27.6%)は59.0%増の836億米ドルと3期連続増加、欧州(構成比12.3%)は49.3%増の374億米ドルと2期連続増加となった。
ASEAN10カ国は76.4%増の659億米ドルと大幅増加、特に輸送機械が127.2%増と成長を牽引した。前年同期比増加率は第1四半期の9.4%から急上昇した。ASEAN主要国で増加率の高い順から、インドネシアの125.2%、フィリピン90.6%、タイ76.5%、マレーシア48.9%、シンガポール44.9%、ベトナム44.8%。
フィリピンの今第2四半期の売上高は90.6%増の42億3,939万米ドルと急増したが、第1四半期の43億9,450万米ドルからは3.5%減少した。しかし前年同期比増減率では第1四半期の15.9%増を大きく上回った。
2.設備投資額
世界全地域での設備投資額(全地域合計)は13.4%増の69億5,000万米ドルと7期ぶりの増加となった。北米や中国の輸送機械等が増加した。構成比の高いアジア(構成比51.7%)は14.2%増の35億9,000万米ドルと2期連続の増加となった。
また、北米(構成比28.6%)は9.8%増の19億8,000万米ドルと6期ぶりの増加、欧州(構成比13.4%)は21.8%増の9億3,000万米ドルと7期ぶりの増加となった。ASEAN10カ国は2.9%増の14億3,000万米ドル。フィリピンは33.7%増の2億0,366万米ドルで2期連続の増加。
3.従業者数
世界全地域での従業者数は0.1%増と小幅ながら9期ぶりの増加。構成比の高いアジア(構成比68.2%)は0.5%増の285万7,000人と9期ぶりの増加となった。北米(構成比13.7%)は1.1%減と6期連続の減少、欧州(構成比9.9%)は5.1%減と6期連続の減少となった。ASEAN10カ国は0.7%増の157万5,563人、フィリピンは3.6%増の20万1,327人と増加に転じた。