2020年6月24日
野村ホールディングス(野村)は、6月23日、「子会社であるノムラ アジア インベストメント(シンガポール)社が保有するBDOノムラ証券株式49%を、合弁相手のBDOユニバンク(BDO)へ全て売却することに関し、基本事項に合意した。ただし、今後の協議および最終的な合意ならびに規制当局による承認を前提としている」と発表した。
野村は2016年、フィリピンの最大銀行BDO(本店:マニラ首都圏マカティ市)との合弁証券会社であるBDOノムラ証券を通じて、フィリピン証券取引所(PSE)上場企業の株式オンライン取引サービスを開始した。
当時野村は、「総資産規模等においてフィリピン最大の金融機関であるBDOと協業することにより現地資本市場の発展に貢献するとともに、フィリピンにおける収益基盤の構築、および野村グループのプレゼンスの向上を図る。そして、高い成長が期待できるフィリピン・オンショア市場でのビジネスを拡大することにより、アジアにおけるホールセール及びリテールビジネスの相乗効果の更なる創出を目指す」と表明していたが、今回の合弁解消決定という結果となった。
一方、大和証券グループ本社(大和証券グループ)は、2017年4月、フィリピンにおけるオンライン証券(ネット証券)業務のリーディングカンパニーであるCOLフィナンシャルズ・グループ(COL、本社:マニラ首都圏パシグ市)の株式14.9%を取得した。COLは1999年に設立され、フィリピンにおけるオンライン証券口座数で最大のシェアを占めている。
ちなみに、PSEによると、2018年末の株式取引口座(証券口座)数は、前年末比25.4%増の108万9,443に達した。そのうち、オンライン証券口座数が同60.9%増の62万5,763へと急増、全体の57%を占めるに至った(前年末は45%)。