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日立、フィリピンでFDCと水処理合弁企業設立

2019年9月2日

資本金3,437万ペソ、日立出資比率40%

 

ゴティアヌン財閥傘下の有力コングロマリットであるフィルインベスト・ディベロップメント(FDC)は、8月22日、シンガポールに本拠地を置く日立アクアテック・エンジニアリング社(Hitachi Aqua-Tech Engineering Pte. Ltd.、以下日立アクアテック)と水事業関連の合弁会社を設立することで合意したと発表した。日立製作所(日立)も、この合弁事業に関して、8月30日、以下のような発表を行った。

 日立製作所(日立)の子会社で海水淡水化RO(逆浸透)システムなどの設計から製造、販売、メンテナンスを手がける日立アクアテック社は、このほど、フィリピンにおいて水処理エンジニアリング事業を行う合弁会社の設立について合意し、正式に契約を締結した。この合弁会社は、2019年中に設立予定で、出資比率は、FDCが60%、日立アクアテック社が40%である。そして、FDCやその他デベロッパーによる都市開発、ホテル・リゾート向けを中心に水処理エンジニアリング事業を展開していく方針である。

 FDCの100%子会社であるカントリーワイド・ウォーター・サービス社が、FDCの開発案件において水処理設備などを提供しており、FDCは、不動産開発事業において安定的な水インフラを供給する上で、上下水道事業における技術や実績を持つパートナーとの協業を検討していた。

 一方、日立は、長年培ってきた水事業におけるOT(制御・運用技術)およびプロダクトの実績・ノウハウに、多様な分野での豊富な実績と知見を持つITを組み合わせて、上下水道や海水淡水化などの水インフラの整備で、顧客や社会の課題解決にグローバルに貢献している。海外は、フィリピンをはじめとするアジアを注力エリアと位置付け、海水淡水化システムや高度下水処理などの差別化技術を中心に事業展開を進めている。また、日立アクアテック社は、これまでにアジアや中東を中心にROシステムを約500機納入するなど多くの実績があるほか、噴水・プールなど水を利用した景観設備も手がけている。フィリピンでは、FDCの開発案件に対して、ROシステム、MBR(膜分離活性汚泥法)システムの納入実績もある。

 FDCと日立は、今後、FDCのフィリピンにおける顧客基盤と日立の水処理事業における実績・ノウハウを活用することで、フィリピンにおける水処理事業の拡大を図り、将来的には、O&M(運用・保全)事業や公共向け水処理案件の獲得、さらには都市開発向けのユーティリティソリューションの提供もめざす。

<合弁会社の概要(予定)>
・社名:Filinvest-Hitachi Omni Waterworks, Inc.(フィルインベスト-日立・オムニ・ウォーターワークス社) 
・代表者:Johnny Roxas(ジョニー ロハス)社長 
・所在地:マニラ首都圏タギグ市
・事業概要:水処理エンジニアリング(設計・施工)、O&M 
・資本金:3,437万5,000ペソ(日本円換算約6,875万円) 
・出資比率FDC(60%)、日立アクアテック社(40%) 
・設立年月:2019年中 

<FDCの概要>
・社名:Filinvest Development Corporation(フィリピン証券取引所上場)
・代表者: Lourdes Josephine Gotianun Yap社長兼CEO 
・所在地:マニラ首都圏タギグ市
・事業概要:不動産、銀行サービス、製糖、電力、インフラストラクチャー事業他 
・資本金:1,197億ペソ(約2,400億円)、2018年12月31日時点 
・従業員数:(グループ)10,000名 
・設立年:1973年 
・売上高:733億1,300万ペソ(約1,470億円) 

<日立アクアテック社の概要>
・社名:Hitachi Aqua-Tech Engineering Pte. Ltd. 
・代表者:風間裕介Managing Director 
・事業概要:ROシステムの設計、製造、販売、メンテナンス、商業施設・住宅向けの水を利用した景観設備(噴水、プールなど)の 設計・エン ジニアリング、施工、メンテナンスなど
・資本金:200万シンガポールドル (Hitachi Infrastructure Systems (Asia) Pte. Ltd.の100%出資) 
・従業員数163名(2019年4月現在) 
(19年8月30日の株式会社日立製作所ニュースリリースなどより)。

 

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