三菱自動車は、フィリピンでは強固な事業基盤を構築し、販売台数は堅調な推移を辿り、現在、トヨタに次ぐ業界第2位の地位を確固たるものにしている。三菱自動車のフィリピンの生産・販売拠点はミツビシ・モーターズ・フィリピン・コーポレーション(MMPC)である。
MMPCの2016年(1月~12月)の販売台数は前年比13.5%増の6万1,400台(三菱自動車ブランド5万9,480台+三菱ふそうブランド1920台)に達した。10年連続の増加であり、フィリピン自工会(CAMPI)など工業会加盟企業におけるシェア(工業会シェア)は16.5%で、トヨタモーター・フィリピン(TMP)の44.1%に次ぐ第2位の座を維持した。輸入車を含む総販売台数ベースでの市場シェアも15.2%で、トヨタの39.1%に次ぐ2位となっている。MMPCは2017年の販売台数目標を前年比22%増の7万5千台と設定、11年連続の販売増が期待される状況である。
ルノー・日産アライアンス発表によると、三菱自動車にとってフィリピン市場は、米国(9万6,267台、2016年販売台数:以下同様)、日本(8万5,716台) 、中国(8万2,758台)、豪州(7万3,360台)、インドネシア(67,397)に次ぐ世界6位の規模であり、タイ(5万5,409)を上回っている。
三菱自動車の2016年の主要10市場シェアは、米国0.5%、日本1.7%、中国0.3%、豪州6.2%、インドネシア6.3%、フィリピン15.2%、タイ7.2%、ドイツ1.1%、UAE9.2%、英国0.9%となっている。フィリピンは唯一の2桁シェアを有する市場であり、他の市場のシェアを大きく引き離している。三菱自動車にとって、フィリピンは非常に重要な市場となっている。
三菱自動車のフィリピンでの市場シェアが、他市場に比べ非常に高いのは、フィリピンでの歴史が非常に長く地道に事業基盤を強化してきたこと、モンテロ・スポーツ、パジェロ、ASX、アドベンチャーなど現地ニーズの高い多目的車のラインアップが豊富であることなどが挙げられる。