アジア開発銀行(ADB)は3月19日に、東アジア債券市場の動向に関する報告書「アジア債券モニター」(ABM)最新版である2018年3月号(2018年第1四半期実績などを記載)を発表した。
「アジア債券モニター」(ABM)は、ASEAN6カ国(フィリピン、インドネシア、マレーシア、シンガポール、タイ、ベトナム)、中国、韓国、香港という合計9カ国・地域の東アジア新興国(EEA)現地通貨建て(LCY)債券市場の変化を定期的に調査・分析しているものである。
このABM最新版によると、2017年第4四半期末(12月末)のフィリピンにおけるペソ建て債券残高は、前四半期末(2017年9月末)比5.1%増、前年末(2016年12月)比12.5%増の5兆4,750億ペソ(1,100億米ドル相当に達した。そのうち、国債残高が前四半期末比5.8%増、前年同期末比12.0%増の4兆4,550億ペソであった。2,550億ペソの個人向け5年物国債発行などにより、国債発行残高は前年末比二桁増加となった。
一方、フィリピンにおけるペソ建て社債残高は、前四半期末(2017年9月末)比2.2%増、前年末(2016年12月)比14.4%増の1兆0,200億ペソに達し、1兆ペソの大台を突破した。このうちの94%は上位30社が発行したものである。なお、2017年第4四半期の社債発行額は、金利上昇などにより、前四半期比39.1%減、前年同期比57.9%減の300億ペソと低調であった。