株式会社イオンファンタジーは海外でも、フィリピン、中国、マレーシア、タイ、インドネシア、ベトナムにおいて、ファミリー向けアミューズメント施設およびインドアプレイグラウンドの直営展開を進めるとともに、香港、カンボジアにおいて、ライセンス契約およびフランチャイズの店舗を展開している。
フィリピンにおいては、2014年5月に子会社「イオンファンタジー・フィリピン」が設立された。同年11月に、イオンファンタジーキッズーナ・フィリピン1号店がマニラ首都圏ケソン市のショッピングモール「ロビンソンズ・ガレリア」内にグランドオープンした。その後、マニラ首都圏を中心としたドミナント化を推進するとともに、セブ、ダバオなど首都圏以外での出店も積極化させつつあり2018年11月時点で48店に達した。
2018年12月については一気に3店オープン、2018年12月末時点で51店体制となり、前年同月末の39店から12店、率にして31%の増加となった。また、2年前の2016年12月末の26店からは、ほぼ倍増となっている。
店舗数の増加とともに売上高も順調に拡大している。このほどイオンファンタジー本社が発表した2019年2月期(2018年3月~2019年2月)9カ月間の連結決算発表の補足資料によると、フィリピン事業の2018年9カ月間(2018年3月~11月)売上高は前年同期比31.5%増の9億8,500万円へと大幅増加した。大幅増収は主に新店効果によるものであるが、既存店売上高も同1.3%増と堅調であった。損益面では、経費増加により店舗利益が2.7%減の1億0,600万円、営業利益は同22.6%減の2,400万円へと減少したが、フィリピンのインフレ率が亢進しレジャー費・余暇費抑制という環境下では底堅い展開であったといえよう。
ちなみに、2018年2月期通年のフィリピン事業の売上高は同57.5%増の10億7,900万円、店舗利益が同70.5%増の1億6,200万円、営業利益が同11倍の2,200万円へと急増している。
なお、イオンファンタジーは、2018年度から2020年度までの中期3カ年計画において、アジアシフトの加速を掲げており、アジア店舗数を2017年度の389店の1.9倍の730店とする方針である。特にフィリピンにおいては2017年度比2.1倍の81店と高い伸びを目指している。フィリピンは、年間人口増加率が約2%、9歳以下の人口が2割(2千万人)以上と高く、子供向けアミューズメント施設需要の急拡大が期待できる。