2023年11月2日
11月4日午前11時(現地時間)から約30分間、フィリピンを訪問中の岸田文雄内閣総理大臣は、フィリピン上下両院合同セッションにおいて、「次世代に繋ぐ心と心の絆」と題する政策スピーチを行った。
岸田総理はこのスピーチにおいて、 『現在、国際社会は歴史的な転換点にあり、法の支配に基づく国際秩序は、重大な危機にさらされている。このような状況下で、誰もが共有できる原点に立ち返る必要性がある。その原点として『人間の尊厳』の理念を重視している。誰もが尊厳を持って生きられるようにするためには、平和で安定した世界を築くことが不可欠である。国際社会を分断と対立ではなく協調に導き、自由と法の支配を守り抜く取り組みを前進させる決意を共有したい』と強調した。
そして、『自由で開かれたインド太平洋(FOIP)』実現のための方策の一環として、ミンダナオ地域への災害対策用の重機供与、日本の新しい無償支援の枠組みである『政府安全保障能力強化支援(OSA)』を通じての世界で最初の協力案件としてフィリピン軍への沿岸監視レーダー供与に合意したこと、『日比部隊間協力円滑化協定(RAA)』の正式交渉の開始に言及、安全保障分野での2国間協力を深耕化させる方針を表明した。更に、米国を含めた3カ国の連携強化や『多層的な連結性』も強化する方針を示した。
最後に、「日ASEAN友好協力50周年のキャッチフレーズは、『輝ける友情、輝ける機会』である。12月の東京での日ASEAN特別首脳会議では、日本とASEANの『輝ける友情』が次世代に繋がる『輝ける機会』となるよう、マルコス大統領をはじめ、ASEAN各国のリーダーたちと連携していく。今後も、日本とフィリピンとの間の強固な友好関係が継続し、一層発展していくよう、全力を尽くす」と締めくくった。
なお、この政策スピーチの全文は、日本外務省のhttps://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100576086.pdfに掲載されている。