2023年10月25日
純資産4兆3千億ペソと断トツ、不良債権比率1.99%
SM財閥傘下のフィリピン最大銀行であるBDOユニバンク(証券コード:BDO、本店:マニラ首都圏マカティ市)は10月25日、2023年の四半期事業報告書を公表した。
それによると、2023年年初9カ月の純収入は前年同期比(以下同様)21%増の1,953億ペソに達した。主力の融資事業などによる純金利収入が27%増の1,374億ペソ、純金利率は4.65%(前年同期4.11%)。また、各種手数料、保険料収入、証券売買益、外為益などの非金利収入は9%増の579億ペソであった。一方、営業費用は17%増の1,147億ペソ。これらの結果、帰属純利益は35%増の539億ペソと二桁の増益だった。年率換算の普通株主自己資本利益率(ROCE)は15.13%で、前年同期の12.39%から上昇した。
2023年9月末の融資残高は前年同月末比(以下同様)7%増の2兆7,400億ペソ、受入預金残高は12%増の3兆4,100億ペソ、総資産は4兆2,883億ペソ、自己資本も5,005億ペソと増加した。 リスク資産に対する自己資本比率(CAR)は15.61%(前年同月末14.41%)、普通株中核自己資本(CET1)比率は14.5%(同13.3%)と良好な水準を維持している。不良債権(NPL)比率は1.99%。また、NPL貸倒引当率は176%に達している。
BDOは、フィリピン全土に1,700店以上の営業拠点、4,700台以上のATMを有している。また、アジア、北米、中東など海外に、香港とシンガポールのフルサービス支店を含む16の送金拠点・事務所を有している。フィリピンでは、ジャパンデスクを設置しており、日系企業向けサポート体制が充実している。日本企業のフィリピン進出増加に対応すべく、日本の国際協力銀行(JBIC)や有力地方銀行との提携を進めてきている。