2023年11月12日
売上高22%増の1,628億ペソ、粗利益率13.8%、シェア47.1%
トヨタ自動車のフィリピンでの製造・販売拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP、所在地:ラグナ州サンタロサ市トヨタ特別経済区)の業績が好調に推移している。
TMPは1988年8月にトヨタ自動車のフィリピン車両製造/販売拠点として設立され、2023年8月3日、設立35周年を迎えた。現時点での出資比率はトヨタ自動車34%、三井物産6%、マキシマス マネジメントホールディングス9%、GTキャピタル(証券コード:GTCAP)51%となっている。サブコンパクトセダン「ヴィオス」や多目的車「イノーバ」を現地生産している。また、販社「レクサス マニラ」を通じて、ハイブリッド車を含む各種レクサス車の輸入販売を行っている。2009年1月に開業した「レクサス マニラ」は三井物産との合弁企業であり、TMPの出資比率は75%、三井物産の出資比率が25%となっている。
TMPは、2022年まで21年連続でフィリピン自動車市場の三冠王(総販売台数、商用車販売台数、乗用車販売台数いずれもトップ)を維持している。個別モデル販売ランキングにおいても常に上位を独占している。2022年は、上位6モデル(ヴィオス、ハイラックス、ウイゴー、イノーバ―、フォーチュナー、ラッシュ)を独占している。8位にハイエースがランクされており、上位10モデルのうち7モデルを占めている。2022年の市場シェアは50.0%で、過去最高を更新するとともに、ASEAN市場で最高となっている。
11月14日発表のGTCAPの2023年9カ月間(1月~9月)事業報告書によると、TMPの今9カ月間の卸売ベースの販売台数は前年同期比(以下同様)18.2%増の14万9,719台、小売ベースの販売台数は15.5%増の14万4,232台と堅調だった。業界全体の小売販売台数は24.7%増の30万6,285台であったことから、TMPの市場シェアは47.1%で、非常に高水準であった前年同期の50.8%%からは低下した。しかし、依然断トツであり、首位の座は全く揺るがない状況である。
これらの結果、TMPの今9カ月間の売上高は22%増の1,628億ペソに達した。一層の経済再開本格化や消費回復、供給不足の緩和、積極的な新型モデル投入効果などで二桁増収、9カ月間での売上高記録を更新した。二桁増収効果、円安効果、高採算車の販売比率上昇などで、粗利益率が13.8%へ大幅上昇(前年同期9.3%)した。営業費用抑制効果もあって、営業利益は146.1%増の142億ペソ、帰属純利益は158.5%増(約2.6倍)の109億ペソへと大幅増加した。