2024年2月1日
マルコス大統領、ウイ情報通信大臣、越川大使らが祝辞
情報通信事業などを展開する株式会社アイ・ピー・エス(IPS、本社:東京都中央区)は、2月15日、マナティ市のペニンシュラ・マニラにおいて、フィリピン国内海底ケーブルシステム(PDSCN)開通記念式典を開催した。
式典においては、IPSの宮下幸治代表取締役社長がPDSCNの説明、フィリピン通信事情向上への寄与方針、完成への協力に対する謝意を表明した。そして、フェルディナンド・マルコス大統領、アイバン・ウイ情報通信大臣、越川和彦駐フィリピン日本国大使らが祝辞やPDSCNへの期待を述べた。
IPSは過去最大の投資案件として、2022年7月より、フィリピンの連結子会社であるInfiniVAN, Inc.(インフィニVAN、所在地:タギグ市BGC)を通じて、フィリピンの大手通信企業グローブ テレコム(証券コード:GLO)とイースタンテレコミュ二ケーションズ フィリピン(イースタンテレコム)と共同で、PDSCNの建設を開始した。2023年4月に海底部分の建設が完了しており、地方の各都市を結ぶ陸上回線との接続によるネットワーク、さらに全国140カ所の中継局を設置が12月28日完成した。これにより、既存大手通信事業者と遜色のないネットワークが完成し、ハイパースケール事業者、CATV事業者、地方の通信事業者、地方の法人向け等への通信サービスの提供が全国規模で可能となった。
PDSCNは、ルソン島、ビサヤ諸島、ミンダナオ島を結ぶフィリピン国内を縦貫する回線で、その工事区間は24区間、ケーブルの長さは約2,400Km、人口カバー率は96%、総投資額は約1億4,600万米ドル(原則3社均等)。別途、伝送装置やインフィニiVAN単独の陸上部分の費用を合計すると、インフィニティVANの投資額合計は約6,500万米ドルとのことである。
なおPDSCNは、競合関係にある通信企業との共同事業によりフィリピン国内通信網を構築する初の大型案件である。当該プロジェクトは、インフィニVAN社からの呼びかけによって実現した。日本の技術を採用した高品質の回線を敷設するため、敷設はKDDI子会社の国際ケーブル・シップ(15区間)、NTTグループのNTT ワールド エンジニアリング マリン(9区間)が実施した。
IPSグループが主導する事で、台風等の自然災害(フィリピンは例年大きな台風の影響を受ける)、船のイカリや漁具との接触、鮫が噛んだりすることなどでも容易には切断されない頑丈な海底ケーブルを、高度な技術力と実績のある日本の敷設事業者によって敷設することが、協働する通信事業者2社に高く評価された。一つのフィリピン国内の海底ケーブルシステムとしては、最大規模になる。