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【フィリピン経済ニュース】最大の複合企業サンミゲル、23年の純利益67%増の447億ペソ

2024年3月8日

収入1.5兆ペソ、ビール・洋酒、インフラ・セメント・発電等が大幅増益

 

フィリピンを代表するコングロマリットとなったサンミゲル(証券コード:SMC)が、3月14日、2022年(1月~12月)の決算速報を発表した。

 

2023年の収入は前年比(以下同様)4%減の1兆4,667億ペソ。石油製品販売事業や発電事業における販売単価低下、前年の60%増収の反動などにより小幅減収となったが、依然高水準でありフィリピン企業のなかで断トツである。また、新型コロナパンデミック直前の2019年の1兆0,205億ペソを約44%上回る水準である。

 

各事業の効率化推進などにより、EBITDA(税前・償却前・利払い前利益)は24%増の2,053億ペソ、営業利益は34%増の1,445億ペソと二桁増加。更に、純利益(帰属ベースではない総純利益ベース、以下同様)は67%増の447億ペソ。前年の純利益がコスト増などで44%減の268億ペソと低調であったことの反動という要素もあって大幅増益となった。

 

SMCグループの食品と飲料事業が大統合して発足したサンミゲルフーズ&ビバレッジ(証券コード:FB)の売上高は6%増の3,798億ペソ、純利益は10%増の381億ペソで過去最高益を更新した。パッケージ部門(サンミゲル山村パッケージング)の売上高は4%増の384億ペソ、営業利益は16%増の19億ペソであった。 FBにおいてビール事業を担当するサンミゲル ブリュワリー(サンミゲル ビール=SMB、現在は非上場企業)の売上高は8%増の1,473億ペソ、営業利益は6%増の314億ペソ、純利益は16%増の253億ペソ。国内外ともに販売が堅調であった。SMBにはキリン ホールディングス(キリン)が約48%出資している。

 

洋酒担当のヒネブラ サンミゲル(証券コード:GSMI)の売上高は13%増の536億ペソ、営業利益は14%増の68億ペソ、純利益は55%増の70億ペソと好調を維持した。売上高、純利益ともに過去最高となった。

 

多角化事業の一つである電力事業の収入は23%減の1,696億ペソ。販売電力量が8%減の2万5,205ギガワットにとどまったことと販売電力料金低下との相乗効果で二桁減収となった。しかし、コスト低減や効率性向上などで、営業利益は13%増の325億ペソ、純利益は216%増(約3.2倍)の99億ペソに達した。サンミゲルの電力事業は、持株会社SMCグローバル パワー ホールディングスのもとに集約されている。

 

石油製品部門(元売り最大手のペトロン、証券コード:PCOR)の総販売量は13%増の1億2,690万バレルと大幅増加。販売価格が低下したことで売上高は7%減の8,010億ペソにとどまった。しかし、コスト低減もあって営業利益は60%増の307億ペソ、純利益は51%増の101億ペソと大幅増益となった。

 

インフラ事業担当のSMCインフラストラクチャーの純収入は17%増の340億ペソ、営業利益は25%増の177億ペソと好調。外出・移動制限のほぼ撤廃、経済再開本格化で、運営する高速道路の1日当たり平均通行車両が8%増の約101万台に達したことなどで大幅増収増益決算となった。 セメント事業担当のサンミゲルエクイティインベストメント社の収入は314%(4.2倍)の372億ペソへと急増、営業損益は60億ペソの黒字となり、前年の6億ペソの赤字から大幅改善した。大手のイーグルセメントのフル統合やサザン コンクリート インダストリーズ社(SCII)の商業運転開始等が寄与した。セメント事業の収益の急拡大も全体の大幅増益に貢献している。 更なる多角化や事業基盤拡大の過程で有利子負債が膨張、2023年末時点で1兆4,050億ペソに達し、2022年末の1兆3,560億ペソから4%増加している。一方、現金残高も2,610億ペソと高水準。総資産は2兆4,590億ペソで、2022年末の2兆3,920億ペソから約3%増加している。総負債対自己資本比率は2.70倍(2022年末2.74倍)、有利子負債対自己資本比率は2.11倍(同2.12倍)、流動比率は1.12倍(同1.21倍)となっている。

 

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情報通信事業などを展開する株式会社アイ・ピー・エス(IPS、本社:東京都中央区)は、2月15日、マナティ市のペニンシュラ・マニラにおいて、フィリピン国内海底ケーブルシステム(PDSCN)開通記念式典を開催した。

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