2024年8月2日
金利据置予想多いが中銀総裁は利下げの可能性に言及
フィリピン中央銀行(BSP)の最高政策決定機関である金融委員会(MB)定例会合は、2024年には7回開催される予定である。近年は年8回開催されることが多く、2023年も8回開催されたが、2024年は1回減少となる。
2024年のMB定例会合開催日は、2月15日、4月8日(当初予定の4月4日から変更)、5月16日、6月27日、8月15日、10月17日、12月19日である。1月、3月、7月、9月、11月は開催されない。金利など重要金融政策は通常、MB定例会合で決定される。急を要する場合には臨時会合で決定されることもあるが稀である。
8月15日の今年5回目のMB定例会合においては、7会合連続で政策金利据え置きが決定されるとの見方が多いようだ。7月の総合インフレ率が8カ月ぶりに4%台へ上昇したと推定されているうえ、ペソ対米ドルレートは過去最安値59ペソに近いところで推移している。7月30日~31日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)でも金利据え置きが決定されており、フィリピンが先行して利下げを実施するのは難しいと見られてきた。
しかしBSPのレモロナ総裁は8月1日に、「8月15日の定例会合において0.25%の利下げが決定される可能性がないわけではない。7月のインフレ率は前月比では加速したと見られるがピークとなり、今後鈍化していくと予想される」と表明した。
下表のように、6月のコアインフレ率は5月に続いて3.1%で23カ月ぶりの低水準であり、昨日発表された6月のマニラ首都圏一般小売物価指数(GRPI、2012年=100)上昇率は1.8%で、約3年ぶりの1%台へと鈍化している。これらも、金融政策決定に影響を与える可能性がある。