2025年3月1日
年間1,200億食のグローバルフード、比は4年連続世界7位
世界ラーメン協会(WINA、事務局:東京都新宿区、日清食品ホールディングス内)は、2月25日~26日の2日間、フィリピンのマニラ首都圏タギグ市ボニファシオ グローバルシティ(BGC)のシャングリラ ザ フォートにおいて、第11回世界ラーメンサミット」(WINAマニラサミット)を開催した。
今回のWINAマニラサミットは、理事会員でありフィリピン証券取引所(PSE)上場のモンデニッシン社(証券コード:MONDE、所在地:ラグナ州サンタロサ、日清食品ホールディングスとの資本関係なし)がホストを務めた。下表のとおり、フィリピンの即席めん市場は世界第7位の規模である。
前回の「第10回世界ラーメンサミット」(2022年、インドネシア・バリ島)は新型コロナウイルス禍の影響でオンライン開催となったため、今回のWINAマニラサミットは2018年の大阪サミット以来、7年ぶりに現地でのリアル開催となった。今回のサミットには世界各国・地域からWINA会員である即席麺メーカーや食材サプライヤーなど250名以上が参加、世界の栄養課題や、食糧危機への対策にどう取り組むか、気候変動などの環境問題の解決に向けてどのような貢献ができるかなど、業界として取り組むべき行動について協議した。
最終日の2月26日には今回のサミットの総括として、WINAの新たな活動方針である「マニラ宣言」を採択した。「栄養と健康」、「環境保全」、「食品安全」、「その他社会課題の解決」の4つを重点分野と定め、業界をあげて加盟企業が世界各地で積極的に重点分野への取り組みを行う自主目標として設定した以下のような「WINA Challenge Target」の内容を対外的に初めて公表した。
1.「栄養と健康」:減塩・減脂への取り組み、即席めん製品の栄養バランスの改善などを通じ、より健康的な製品の提供を目指す。
2.「環境保全」:資源の有効活用、温暖化ガスの排出抑制、廃棄物の削減、エネルギー消費の削減や再エネの活用などを進める。
3.「食品安全」:品質管理の徹底や正確な製品情報の提供などを通じて、生産から消費までのすべての段階で製品の安全性向上に努める。
4.「その他の社会課題の解決」:災害支援や原料生産者による持続可能な農法に対する支援などの取り組みにより、人々のウェルビーイングの構築に貢献する
67年前の1958年に誕生したインスタントヌードルは、現在世界で年間1,200億食以上が消費されるグローバルフードとなった。「WINA Challenge Target」の取り組みを初めて対外的に公表するで、インスタントヌードル業界全体が連帯し、政府機関およびその他の団体との連携を行うことで、さまざまな社会課題に取り組むことを目指す。今回のサミットテーマである「World United by Noodles」にもある通り、地球規模の課題解決、そして人々のウェルビーイングに貢献するためには、国境や文化の違いを越えて、業界全体で「連帯」していくことが何よりも重要としている。
WINAは即席麺の品質改善および消費拡大を図り、業界発展と世界の食生活に貢献することを目的に1997年に設立された、27カ国/地域の139社(団体)が加盟する世界規模の業界団体である。品質向上に関わる業界共通の技術的課題について情報の集積・共有を行っている。また即席麺を通じた社会貢献も行っている。
なお、フィリピンの2023年の即席麺の総需要は前年比2.3%増の43億9,000万食で、3年ぶりの増加となった。また、4年連続で世界第7位、ASEANではインドネシアとベトナムに続く第3位の市場となっている。世界総需要1,202億1,000万食の3.7%を占め、一人当たりの年間消費量は約40食となっている(人口1億0,903万5,343人で計算)。形態別では、袋麺がやや伸び悩み、カップ麺が堅調といえる。