2022年7月7日
日本厚生労働省は、「フィリピンが日本を医薬品簡略審査の対象国に指定した」と発表した。
その発表によると、厚生労働省及び医薬品医療機器総合機構(PMDA)とフィリピン食品医薬品局(比FDA)は、これまで二国間会合やPMDAアジア医薬品・医療機器トレーニングセンターにおけるセミナー等を通じ、両当局の医薬品規制について相互に理解を深めるとともに、国際的な規制調和活動において協働してきた。
このような活動の成果として、比FDAは日本のPMDAを医薬品審査システムが確立している規制当局(参照規制当局)とみなし、フィリピンにおける新医薬品(ワクチン及び生物製剤を含む)の登録審査において、PMDAの審査報告書を利用して簡略的な審査を実施できるようになる旨を6月16日付けで発表した。
この結果、企業が日本で承認された新医薬品についてフィリピンで登録申請を行う場合、日本での承認から3年以内であれば、PMDAの審査報告書を提出することにより、審査期間が、通常180営業日とされているところ、45営業日(2以上の参照規制当局で承認されている場合、及び承認後の一部変更申請の場合は、30営業日)に短縮され、より早期にフィリピンでの上市を目指すことができるようになった。また、これによりフィリピンにおいて、日本で開発された医薬品へのアクセスが迅速化され、フィリピンの保健医療の質の向上に貢献することが期待される。アジア諸国の中で、日本を医薬品簡略審査の対象国に指定したのは、マレーシア、インドネシア、タイ、台湾、インド、ベトナムに続く7カ国目。
なお、比FDAは、2020年に、他国の規制当局の審査結果を参照した簡略的審査の導入を規定した「医薬品、ワクチン、生物製剤の促進登録に関するガイドライン」を発出したものの、具体的な参照規制当局は指定されていなかった。今般、6月16日付けで発出された実施ガイドライン(FDA Circular No.2022-004)において、PMDAが参照規制当局に指定された。