6月20日付けビジネス・ワールド紙電子版によると、フィリピンの大手商業銀行であるリサール商業銀行(RCBC)は、日本において、邦銀2行と提携、分散台帳(ブロックチェーン)技術を活用した送金サービスを開始する意向とのことである。
この報道では具体的な提携銀行名や詳細な技術関連については触れていないが、RCBCは、日本在住のOFW(海外フィリピン人就労者)向けに迅速で低コストの送金サービスを提供することを計画している。迅速で低コストの送金のためにはブロックチェーン技術が適していると考えている。ちなみに、RCBCは、りそなグループと幅広く提携している。
なお日本では、今年3月、SBIホールディングス(SBI)は、SBIとその子会社のSBI Ripple Asiaが事務局を務め、邦銀61行が加盟する「内外為替一元化コンソーシアム」が、分散台帳技術(DLT)を活用した次世代金融基盤に接続するスマートフォン向け送金アプリ「Money Tap(マネータップ)」を提供することになったと発表している。
「内外為替一元化コンソーシアム」は2016年10月の発足以来、分散台帳技術(DLT)を活用し、外国為替に加えて内国為替も一元的に扱う次世代金融基盤を共同構築してきた。そして2017年12月には、米Ripple社の最新ソリューションである「xCurrent」を実装した商用版「RCクラウド2.0」を完成させた。
「RCクラウド2.0」に接続するスマートフォン向け送金アプリ「Money Tap」は、利用者による個人間の送金を、安全・リアルタイムかつ快適に行える環境を提供する。「Money Tap」は、銀行口座番号による送金の他に、携帯電話番号やQRコードを用いた送金機能も持ち合わせているアプリで、指紋による生体認証と組み合わせることで、ユーザーエクスペリエンス(UX)とセキュリティの両立を図っている。
同コンソーシアム参加行のうち、りそな銀行、住信SBIネット銀行、スルガ銀行の3行は、先行商用化行として、詳細運用についての集中協議を2017年10月より開始しているが、4月以降に試験運用を開始し、夏以降の一般公開を目指すとも発表されている。