フィリピンの輸入車を含む新車総販売台数は、2017年に前年比17.7%増の47万3,943台に達し、6年連続での史上最高を記録とした。しかし、インドネシア、タイなどアジア主要国に比べると低水準である。そして、生産台数は同20.9%増と二桁増加ながら、14万1,252台と非常に低水準、ASEAN主要国で最低水準、ベトナムの19万5,9379台にも大きく引き離され、新車販売の6割以上を輸入に依存している状況である。
このような状況に対処すべく、フィリピン政府は、2016年、フィリピンでの自動車生産・販売を拡大を促し産業振興を支援するための「包括的自動車産業振興戦略」(CARS、ロードマップ)プログラムを始動させた。このCARSのもとで、フィリピン政府は総額270億ペソの期間限定(2022年までの6年間)・成果型の優遇措置を講ずる。優遇措置は3車種(1車種につき6年間で20万台以上生産)を対象に実施される。実施後の6年間で、92億米ドルの売上げ増加、12億米ドルの新規投資、20万人の新規雇用(間接・非間接)創出などが期待されるとのことである。
このCARSプログラムのもとでの優遇措置(補助金交付など)が、トヨタ・モーター・フィリピン(TMP、対象車種はヴィオス)、三菱モーターズ・フィリピン(MMPC、対象車種はミラージュ{ミラージュ4含む)})に供与されている。