フィリピンの大手コンビニエンスストアの2017年9カ月間(1月~9月)の業績動向が明らかになってきた。フィリピン証券取引所(PSE)上場のフィリピンセブン(セブンイレブン運営企業)が11月10日に9ケ間決算を発表したほか、その他の企業の収益動向は現地パートナー企業の事業報告書等に部分的に記載されている。
首位のセブンイレブンは、台湾系のプレジデント・チェーン・ストア(ラブアン)ホールディングスが52.216%2017年9末現在)を所有するフィリピン・セブン社 (PSC)によって運営されている。2017年も店舗数が順調に増加、3月8日に2千店を突破した。9カ月間では177店純増(新規出店199店、閉鎖22店)、9月末で2,172店となり、前年同月末の1,840店から332店、率にして18%増加した。2016年以降は店舗数の減少が続くミニストップ(2017年9月末489店)やファミリーマート(同68店)との差を拡大させている。
このようなPSCの2017年9カ月間(1月~9月)業績は、グループ全売上高(システムワイドセールス)が前年同期比18.1%増の271億7,928万ペソ、商品売上高は同11.1%増の230億6,666万ペソ。税引前利益は同0.7%増の9億2,568万ペソ、純利益は同0.8%増の6億4,83万ペソとなった。下表の様に、PSCの純利益は年間ベースでは順調に増加してきたが、今9カ月間はやや伸び悩みというペースとなっている。2016年は上半期に総選挙(投票日5月)特需があり既存店の売上高が高い伸びを見せたが、今年はその反動で既存店売上高の伸びが鈍くなっていることが響いている。ただし、コンビニ業界の中では断トツの収益力を維持している。
一方、当地第2位のミニストップは、ロビンソンズ・コンビニエンス・ストアーズ(RCSI)によってフランチャイズ展開されている。RCSIは、三菱商事、ミ ニストップ株式会社、ゴコンウェイ・ファミリー傘下のロビンソンズ リテイル(RRHI)グループとの共同事業である。2000年にRCSIとミニストップ本社との間でカントリー・フランチャイズ契約が正式締結され、2000年12月にミニストップのフィリピン1号店がオープンした。RRHIは2013年11月にフィリピン証券取引所(PSE)に新規上場された。