2019年3月4日
太陽光発電システム導入など、講演・啓蒙活動も
東京センチュリー(本社:東京都千代田区)は、先頃インドネシアのバリにおいて日本環境省とインドネシア政府等により開催された『第10回東アジアサミット-持続可能な都市に関するハイレベルセミナー』において、JCM(二国間クレジット制度)設備補助事業の内容とファイナンスサービスについて講演を行った。
このセミナーは、国際的な目標である持続可能な開発目標(SDGs)の地域化(ローカリゼーション)をテーマとし、SDGsの政策への反映や実施に関してアジア各国、自治体、国際機関、企業等による先進的な取組の共有を図ることを目的とし、進捗状況の成果報告や議論が取り交わされた。
JCM(二国間クレジット制度)は、途上国において、優れた低炭素技術等の普及を通じてCO2(温室効果ガス)の削減を実現し、削減されたCO2算出量の一部を、日本の排出削減量として計上することを目指すための二国間制度。日本は、途上国への温室効果ガス削減技術、製品、システム、サービス、インフラ等の普及や対策実施を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本国の貢献を定量的に評価するとともに、日本国の削減目標の達成に活用するため、JCMを構築・実施している。
東京センチュリーグループは経営理念に「環境に配慮した循環型経済社会の実現への貢献」を掲げており、有力なパートナー企業との協業により、温室効果ガス削減及びエネルギー自給率向上といった社会的意義の高い取組みを事業戦略の中で加速している。
今後も金融・サービス企業の代表事業者の先駆者としてJCM設備補助事業を取り組むとともに、JCMを契機にした環境ビジネスを積極的に展開することで、循環型経済社会の実現に貢献して行く方針である(19年2月26日の東京センチュリー株式会社ニュースリリースより)。
なお、東京センチュリーグループは、広範な海外拠点網とサービス・ファイナンス提供機能を活かし、ASEAN各国において、二国間クレジット制度(JCM)等を利用した温室効果ガス削減、エネルギー自給率向上といった社会的意義の高い取り組みを事業戦略の中で加速させている。
環境省およびその執行団体である公益財団法人地球環境センター(GEC)が募集した「2017・2018年度二国間クレジット制度資金支援事業のうち設備補助事業」において、東京センチュリーが応募した以下の5プロジェクト(6案件)が採択されている。
・フィリピン/自動車部品工場2社への1.53MW屋根置き太陽光発電システムの導入
・インドネシア/化学工場への吸収式冷凍機の導入
・フィリピン/冷凍倉庫への1.2MW屋根置き太陽光発電システムの導入
・タイ/工業団地への25MW屋根置き及び水上太陽光発電
・インドネシア/プラスチック部品工場への高効率射出成型機の導入
フィリピンでの「自動車部品工場への1.53MW屋根置き太陽光発電システムの導入」に関しては、日本の自動車部品メーカー2社のフィリピン工場への屋根置き太陽光発電システムの導入に当たり、東京センチュリーがコンソーシアムの代表事業者として、プロジェクトの企画提案、GECへの応募手続きを行った。日本の金融・サービス企業がJCMの代表事業者を務める初めての選定事例となった。また、2017年1月にフィリピンがJCMパートナー国に指定されて以降採択された初回案件となり、JCMの活用により、当該現地企業は設備投資コストの一部を補助金で賄うことが可能となった。
採択されたフィリピン2案件ともに現地資本企業と共同した取り組みであり、「冷凍倉庫への1.2MW屋根置き太陽光発電システムの導入」においては、冷凍倉庫を保有する現地資本企業の自家消費用ではなく、Power Purchase Agreement(電力購入契約)に基づく電力供給事業向けの発電システムである点が、「途上国に優れた技術を普及し、持続可能な開発に貢献する」というJCMの理念に合致し、高く評価された。
これらのプロジェクトの事業資金は、東京センチュリーとバンク・オブ・ザ・フィリピンアイランズ(BPI)の合弁企業であるBPIセンチュリートーキョーリース&ファイナンス社が提供している。東京センチュリーは、2014年12月(当時の社名は東京センチュリーリース)、BPIの100%子会社であったBPIリーシング(BPIL、資本金:の8,089万9,000ペソ)へ49%出資し、持分法適用関連会社化した。そして、BPILの社名はBPIセンチュリートーキョーリース&ファイナンス社へと変更されたという経緯がある。