前年24位から急上昇、伸び率で第2位:キリン調査
キリン株式会社(本社:東京都中野区、社長 磯崎功典氏)は、インターネット上の仮想大学「キリンビール大学」(http://www.kirin.co.jp/entertainment/daigaku/)を運営している。
これは、ビールの楽しさ・奥深さを消費者に伝えるために2001年7月に開講したもので、美味しいビールの飲み方から、ビールに関する興味深いうんちくまで様々な学部・施設で400以上の豊富な講義提供、パソコンでもスマホでも、365日24時間好きな時に好きなだけビールについて学習できる。
今回は、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき計170の世界主要国および各地域において、2017年のビール消費量をまとめ、12月20日にその結果を発表した。この調査は1975年分から統計を開始している。
それによると、2017年の世界の総消費量は約1億8,672万キロリットル(前年比0.2%減)で3年連続でマイナスとなったが、東京ドームをジョッキに見立てると約151杯分に相当する。国別では、中国が15年連続で1位となったものの前年比3.9%減の4,014万キロリットル(シェア21.5%)と大幅減。この影響で世界の総消費量もマイナス着地となった。2位は米国の2,396万キロリットル(シェア12.8%)。以下、3位ブラジル、4位メキシコ、5位ドイツ、6位ロシア、7位日本、8位英国、9位ベトナム、10位スペインと続く。日本は前年比2.6%減の512万キロリットル(シェア2.7%)で11年連続で7位となった。前年比増加率では、上位25カ国のうち16位のタイの15.8%増が最大、第2位はフィリピンの13.8%増であった。
地域別では、アジア、北米、ヨーロッパが減少したがその他の地域は増加した。 アジア(前年比0.8%減)のシェアが33.7%となり10年連続で1位となった。アジアではベトナム(5.8%増)、韓国(5.6%増)、タイ(15.8%増)、フィリピン(13.8%増)が増加したが、中国(前年比3.9%減)の影響で減少した。アフリカ(0.5%増)は7年連続で増加している。
フィリピンについては、上記のとおり、前年比13.8%増の198万キロリットルと大幅増加、国別シェアは1.1%へと上昇(前年0.9%)、国別順位は19位で前年の24位から5ランク上昇した。フィリピンでは、製造業、サービス業などが好調に推移し、雇用改善など持続的な経済拡大により消費が拡大。飲酒傾向も、主流である低価格ブランデーから高級品であるビールへのシフトが起きている。
ちなみに、手許の過去データによると、フィリピンは、1990年代は消費量上位25カ国常連であり、20位台前半まで上昇する時期もあった。2000年代に入ると順位が低下傾向となり、2008年に国別消費量第25位にランクされたのを最後に2015年まで25カ国番付圏外が続いてきたが、2016年は久々に25カ国番付にランクイン、2017年は一気に19位まで上昇となった(18年12月20日のキリン株式会社ニュースリリースなどより)。