2022年1月27日
フィリピン統計庁(PSA)は1月27日、2021年第4四半期(10月~12月)の経済実績を発表した。
<2021年第4四半期の動向>
フィリピン統計庁発表によると、2021年第4四半期(10-12月)のフィリピンの国内総生産(GDP)実質成長率は7.7%で、前期の6.9%(改訂値)、前年同期のマイナス8.3%から改善した。
セクター別では、農林水産業が1.4%、鉱工業が9.5%、サービス産業が7.9%といずれもプラス成長であった。海外からの純所得(NPI)が15.0%増加したことで、国民総所得(GNI)成長率は8.0%に達した。
<2021年の年間動向>
これらの結果、2021年年間の実質GDP成長率は5.6%となり、政府の直近改訂目標の5.0%~5.5%の上限を上回る結果となった。ただし、2020年が比較可能な統計データが残る1947年以降で最大の落ち込み(-9.5%)であり、そこからの回復ピッチとしてはやや緩慢であったといえよう。長引く新型コロナウイルス感染禍やその対策としての断続的な地域隔離措置強化が響いた。
セクター別では、農林水産業がマイナス0.3%、鉱工業がプラス8.2%、サービス産業がプラス5.3%であった、個別では、建設プラス9.8%、製造業プラス8.6%などが特に好調であった。支出面では、家計最終消費支出(HFCE)が4.2%増加、政府最終消費支出(GFCE)が7.0%増加、総資本形成(GCF)が19.0%増加した。輸出は7.8%増加、GDPのマイナス勘定となる輸入は12.9%増加した。海外からの純所得(NPI)が50.2%急減したことで、国民総所得(GNI)成長率は僅か1.6%にとどまった。