2021年10月27日
2021年のフィリピンの新車販売は、長引く新型コロナウイルスパンデミックや感染力の強い変異株出現など環境は依然厳しいが、非常に不振であった2020年との比較では二桁増加ペースとなっている。
先頃フィリピン自動車工業会(CAMPI)とトラック工業会(TMA)は、「2021年9カ月間の国内四輪車新車販売台数(CAMPIとTMA加盟企業分:以下、工業会加盟企業分と記す)は、前年同期比(以下同様)29.5%増の19万1,605台に達した」と発表した。車種別では、乗用車が38.3%増の6万0,982台(構成比31.8%)、商用車は25.7%増の13万0,623台(構成比68.2%)とそれぞれ二桁増加した。
フィリピン新車販売台数として、この工業会加盟企業分が使われることも多いが、CAMPIを脱退している韓国系の現代アジア リソース(HARI、現代車輸入販売企業)分などを含まないベースである。HARIは、自動車輸入販売企業協会(AVID)に加盟している。スズキやフォードは、CAMPIとAVID双方に加盟している。
AVIDは、「AVID加盟企業の2021年9カ月間の新車販売台数は26%増の4万3,957台に達した」と発表した。車種別では、乗用車が1%減の1万1,596台、小型商用車(LCV)が37%増の3万1,444台、商用車が311%増(約4.1倍)の917台であった。
自動車専門誌トップギア・フィリピンによると、工業会加盟企業分とAVID加盟企業分の合計から重複加盟分(フォードやスズキなど)を調整し、非加盟独立系企業分を加えた2021年9カ月間のフィリピン四輪車新車総販売台数は26.1%増の20万5,078台であったと試算される。
2021年9カ月間の総販売台数ブランド別シェア首位は、トヨタの45.0%(9万2,318台)で断トツ。次いで三菱自動車がシェア13.1%(2万6,830台)で第2位の座を維持した。3位はフォードでシェア7.2%(1万4,704台)、4位はスズキの7.0%(1万4,445台)、5位は日産自動車の6.5%(1万3,235台)であった。
以下、6位はいすゞの5.0%(1万0,336台)、7位はホンダの4.4%(9,067台)、8位が現代の3.7%(7,532台)と続く。双日ジーオートフィリピン(SGAP、本社:マニラ首都圏ケソン市)が販売する中国の吉利ブランド車が1.9%(3,818台)で業界第9位へと更に上昇したことが注目される。10位は起亜の1.3%(2,690台)であった。
CAMPIは、現時点で、2021年の新車総販売台数(工業会非加盟企業分も含む)を約20%増の29万5,400台と見込んでいる。