国家経済開発庁(NEDA)は、欧州系の国際的格付機関フィッチ・レーティングス(フィッチ)がフィリピンの格付を引き上げたことに対して、「フィリピンの堅調な経済パフォーマンスと投資家の信認を反映したものである」と歓迎した。
フィッチは、12月10日、フィリピン共和国(フィリピン)の外貨建ておよび自国通貨建て長期発行体デフォルト格付(IDR)、外貨建ておよび自国通貨建て無担保優先債券の格付を「トリプルBマイナス」(BBB- )からトリプルB(BBB)に引き上げた。一方、カントリー・シーリングも「トリプルBプラス(BBB+)」へ、ペソ建て短期IDRも「F2」へと各々一段階引き上げられた。格付見通し(アウトルック)は安定的とされた。
信用格付尺度「BBB」は、投資適格最低基準である「BBB- 」を一段階上回るステータスであり、「信用リスクが現在は低いと予想していることを示す。金銭債務の履行能力は概ね十分にあると考えられるが、経営又は経済環境の悪化がこの能力を損なう可能性は高い」を意味している。
ペルニアNEDA長官は、このフィリピン格付引き上げが、「フィリピン開発計画2017-2022」に盛り込まれている必要な政策改革、計画、事業を実施するうえで、政府を迅速かつ効率的に働かせてくれるとの見方を示した。政府が力を入れているインフラ整備事業「Build, Build, Build」計画は、2022年までにインフラ関連支出をGDP(国内総生産)の7.4%にまで引き上げるという政府目標に沿って公共建設投資を拡大させると期待される。