2019年9月6日
丸紅との合弁「日野フィリピン」事業基盤拡充
日野は「Challenge2025」において、顧客と社会へ継続的に価値を提供していくための事業基盤強化の一環として、顧客の稼働を支援する「トータルサポート」の強化を掲げている。日本に次ぐ第2の柱であるASEANの中でも、フィリピンは近年新車販売台数が大きく伸びており、保有台数の増加に伴い、ますますきめ細かいトータルサポートの提供が重要となっている。日野フィリピンは、TSTCがトータルサポートを牽引する核となる施設であると位置づけており、今般これを強化した。
本社敷地内に新設したTSTCには、最新の整備設備を導入した「ワークショップ」、多様なニーズに合った人材育成プログラムに対応できる「トレーニングセンター」、作業効率性を向上させた「部品倉庫」を備え、ハード・ソフトの両面からトータルサポートを強化する。またワークショップの構内動線を最適化したほか、建物の屋上部にソーラーパネルを設置し発電を賄う計画で、安全・環境にも配慮した造りとなる。
開所式で日野の市橋会長や日野フィリピンの田畑社長は、「車検制度に対応できる設備の導入はもとより、『すべての顧客に高品質なアフターサービスと献身的なサービスチームを提供する』ことを常に心がけ、サービスの前線を最も重視している。TSTCは顧客の車両をメンテナンスするだけでなく、トレーニングと育成の場でもある。日野ディーラーネットワークの全メカニックが適切なトレーニングを受け、より高品質なサービスを提供できるようにしていく」などと表明した。
なお、日野は2015年に、フィリピンで製造・販売を行ってきた合弁会社「ピリピナス日野」を子会社化し、「日野モータース フィリピン(日野フィリピン)」へと社名を変更した。「ピリピナス日野」は、1975年に、現地企業のプロフェッショナル マネージャーズ社(PMI社)、丸紅、日野の3社の合弁企業として設立された、出資比率は 日野15%、丸紅15%、PMI社70%であった。
日野は、2015年、PMI社から「ピリピナス日野」株式55%を取得、出資比率を70%に高め子会社化したのである。丸紅もPMI社より5%を取得することにより、「ピリピナス日野」出資比率を20%へと高め関連会社化した。丸紅は常勤取締役1名を派遣し、日野、PMI社と共にフィリピンでの日野自動車事業の収益基盤のさらなる強化を図ってきている。
このように、日野フィリピンは、市場の継続的な成長に対応するため販売体制を充実させていくとともに、トラック・バスのボディ架装事業を強化し、幅広いニーズにワンストップで応えつつある。販売後のサポートおよびサービスにおいてもトータルサポートを強化しつつあり、今回のTSTC新設もその一環といえよう(19年9月5日の日野自動車株式会社と丸紅株式会社ニュースリリースなどより)。