2022年10月11日
フィリピン中央銀行(BSP)は10月10日、2022年7月の外資直接投資(FDI)速報を発表した。それによると、7月の外資直接投資(FDI)の純流入額は前年同月比(以下同様)64.4%減の4億6,000万米ドルにとどまり、2021年5月の4億5,500万米ドル以来、14カ月ぶりの低水準となった。
7月のFDI純流入額の減少は、非居住者による現地グループ企業の債券引き受けが、返済額の増加で、80.6%減の2億1,300万米ドルと急減したことによる。これにより、結果的に、自己資本への純投資の増加効果が抑えられた。7月の新規投資の大部分は、シンガポール、日本、米国からで、主に建設(33%)、製造業(24%)、不動産業(18%)等へ投資された。
2022年年初7カ月では、FDI純流入額は前年同期比(以下、同様)12.0%減の51億0,100万米ドル。世界的に厳しい状況が続く中、外国人投資家は引き続き模様眺めの姿勢を維持している。全ての項目で前年同期を下回ったが、特に非居住者の債券引き受けが12.6%減の35億5,500万米ドルと落ち込んだのが響いた。7カ月間の新規投資の大部分は、日本、米国、シンガポール、マレーシアからで、主に、製造業(31%)、不動産業(21%)、建設業(15%)、金融・保険業(12%)へ投資された。
なお、BSPのFDI統計は、国際収支及び国際投資ポジション第6版(BPM6)に基づいており、実際の投資の流入を対象としている。一方、投資促進機関の投資認可額を情報源としているフィリピン統計庁(PSA)発行の外資投資認可データは「投資の約束」であり、実際の投資額ではない。