2022年4月7日
フィリピン統計庁(PSA)の発表によると、2022年3月の総合インフレ率(消費者物価指数、2018年=100)は4.0%となり、2021年10月以来、5カ月ぶりの高水準となった。ロシアによるウクライナ侵攻などに伴う原油や商品価格高騰が響いている。前月から1.0%ポイントと大幅上昇し、中央銀行の直前予想(3.3-4.1%)のほぼ上限となった。前年同月からは0.1%ポイント鈍化した。
3月の総合インフレ率が前月から上昇した主な要因は、物価指数構成比の最も大きなシェアを占める食品・非アルコール飲料の価格上昇率が2.6%と前月から1.4%ポイント上昇したことによる。
そのほか、上昇率が加速したのは、住宅・水道・光熱費(6.2%)、交通・輸送費(10.3%)、酒類・タバコ(4.8%)、外食・宿泊サービス(3.0%)、家具・住宅設備管理(2.6%)、情報通信(0.7%)など。一方、減速したのは、健康・医療(2.5%)、娯楽・スポーツ・文化(1.5%)。
インフレ率を地域別で見ると、マニラ首都圏(NCR)は3.4%で前月から1.5%ポイント上昇。地方は4.1%で前月から0.7%ポイント上昇した。最も高かった地域は東ビサヤ(5.3%)。一方、最も低かったのは、バンサモロ・ムスリム・ミンダナオ自治区(BARMM、1.5%)だった。
なお、3月の総合インフレ率4.0%への寄与度は、食品・非アルコール飲料1.0%(うち食品1.0%)、住宅・水道光熱費1.3%、交通・輸送0.9%、外食・宿泊サービス0.3%、酒類・たばこ0.1%、家具・住宅設備管理0.1%、健康・医療0.1%、衣料・履物類0.1%、パーソナルケア類0.1%だった。
<2022年第1四半期(1-3月)>
第1四半期の平均総合インフレ率は3.4%、政府の2022年のインフレ目標(2.0%~4.0%)内での推移となっている。マニラ首都圏は2.2%、地方は3.7%だった。第1四半期の平均総合インフレ率3.4%への寄与度は、食品・非アルコール飲料0.7%(うち食品0.6%)、住宅・水道光熱費1.1%、交通・輸送0.8%、外食・宿泊サービス0.3%、酒類・たばこ0.1%、家具・住宅設備管理0.1%、健康・医療0.1%、衣料・履物類0.1%、パーソナルケア類0.1%だった。