2019年3月26日
農林中央金庫(農林中金、本店:東京都千代田区)は、ベトナム投資開発銀行(BIDV)、およびフィリピンのBDOユニバンク(BDO、本社:マニラ首都圏マカティ市)と、主に東南アジアでの金融業務にかかる相互補完と機能強化を目的とした業務提携の覚書(MOU)を締結した。
アジア地域は、日本からの農林水産物・食品の輸出先として全体の7割以上を占めており、巨大な富裕層・中間層の誕生等により、今後も高い経済成長が見込まれる。両行との業務提携によって、日本国内の農林水産業・関連産業企業のアジア地域への進出の支援体制を強化していくことを企図している。
今回の両行との業務提携は、相互補完的なものであり、顧客への現地情報の提供のほか、当該地域での協調融資、ビジネスマッチング、M&Aアドバイザリー、現地通貨の供給等の包括的な機能強化を目指している。今後、BIDVやBDOと連携し、現地への進出・事業拡大を検討する顧客企業に対して、よりきめ細かな金融・非金融のサービス提供が可能となる。
農林中金は、全農をはじめとする系統グループ等と協調しながら、BIDV、BDOのほか、その他の地域の銀行とも関係を強化し、顧客の幅広いニーズへの対応力を強化するとともに、農林水産業やその関連産業の発展に向けて更なる機能発揮に取り組んで行く方針である。
BDOは、フィリピン全土に1,200店以上の店舗、4,000台以上のATMを有するフィリピン最大の銀行である。海外には、香港支店を含む24拠点を有している。また、ジャパンデスクを設置しており、日系企業向けサポート体制が充実している。日本企業のフィリピン進出増加に対応すべく、日本の国際協力銀行(JBIC)や有力地方銀行との提携も進めてきている。
BDOの2018年の総営業収入は前年比(以下同様)15%増の1,480億ペソ。純利益は17%増の327億ペソで連続最高益更新を継続するとともに、当初の純利益目標310億ペソを上回った。2018年末の総資産はフィリピン銀行業界で初めて3兆ペソを突破、受け入れ預金残高は14%増の2兆4千億ペソ、融資残高は15%増の2兆ペソに達している(19年3月25日の農林中央金庫ニュースリリースなどより)。