2021年11月8日
フィリピン統計庁(PSA)によると、2021年10月の総合インフレ率(消費者物価指数、2012年=100)は4.6%と前月から0.2%ポイント鈍化、3カ月ぶりの低水準となったものの、2021年年初から10カ月連続の4%台であった。
10月のインフレ率は、フィリピン中央銀行(BSP)のインフレ事前予想範囲(4.5%~5.3%)に収まったが、2021年年初10カ月の平均インフレ率は4.5%と、政府の2021年インフレ目標(2.0%~4.0%)の上限を超えている。特定食品・エネルギー関連品目等変動の激しい品目を除いた10月のコアインフレ率は3.4%で前月から0.1%ポイント上昇した。
10月のインフレ率減速の主な要因は、肉・魚・野菜など主要食品の価格上昇ピッチが鈍くなり、物価指数構成比の最も大きな部分を占める食品・非アルコール飲料の価格上昇率が5.3%と前月の6.2%から減速したことである。鈍化傾向は、酒類・たばこ、教育、外食・サービス他にも見られた。一方、上昇率が加速したのは、住宅・水道・光熱費、家具・住宅設備管理、交通・輸送、健康・医療、娯楽・文化だった。
総合インフレ率を地域別で見ると、首都圏(NCR)は3.2%で前月から0.3%ポイント鈍化、地方は5.0%で前月から0.2%ポイント鈍化した。インフレ率が最も高かった地域は、ビコール(6.6%)、次いでカガヤン・バレー(6.5%)。最もインフレ率が低かった地域は、ムスリム・ミンダナオ・バンサモロ自治区(BARMM、2.4%)、カラガ(3.5%)だった。
なお、フィリピン中央銀行(BSP)発表によると、10月の総合インフレ率4.6%への寄与度は、食品・非アルコール飲料2.0%(うち食品2.0%)、交通・輸送費0.6%、住宅・水道・光熱費1.0%、外食・サービス他0.5%、酒類・たばこ0.2%、家具・住宅設備管理0.1%、健康・医療0.1%、衣料・履物類0.1%、通信0.0%、娯楽・文化0.0%、教育0.0%。
2021年年初10カ月の平均総合インフレ率4.5%への寄与度は、食品・非アルコール飲料2.1%(うち食品2.1%)、交通・輸送費0.8%、外食・サービス他0.4%、住宅・水道・光熱費0.5%、酒類・たばこ0.2%、家具・住宅設備管理0.1%、健康・医療0.1%、衣料・履物類0.1%、通信0.0%、娯楽・文化0.0%、教育0.0%だった。