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【フィリピン経済ニュース】5月の新車販売45%増加、5カ月間で32%増の16.6万台

2023年6月14日

自動車融資不良債権比率急改善、第1四半期7.3%(前年11.3%)

 

フィリピン自動車工業会(CAMPI)とトラック工業会(TMA)は6月13日、2023年5月及び年初5カ月の新車販売動向を報告した。

それによると、2023年5月のフィリピン国内四輪車新車販売台数(CAMPIとトラック工業会加盟企業分:以下、工業会加盟企業分と記す)は前年同月比(以下同様)44.8%増の3万8,177台となり、前月(4月)の3万0,643台から24.6%増加した。全車種に渡って市場の需要が堅調で、追い風となった。

乗用車の販売台数は前年同月比40.6%増の9,792台(シェア25.6%)、一方、商用車の販売台数は46.3%増の2万8,385台となり、5月の全販売台数の74.4%を占めた。そのうち、小型商用車(LCV)は45.7%増の2万2,418台、アジア仕様多目的車(AUV)が55.9%増の5,099台だった。

また、2023年年初5カ月累計の新車販売台数(工業会加盟企業分)は前年同期比(以下同様)31.5%増の16万6,104台となった。乗用車の累計販売台数は32.7%増の4万1,862台(シェア25.2%)。商用車の累計販売台数は31.2%増の12万4,242台で販売全体の74.8%を占めた。

商用車の車種別では、小型商用車(LCV)は25.6%増の9万5,520台、アジア仕様多目的車(AUV)が64.3%増の2万4,408台。小型トラック(カテゴリー3)は25.7%増の2,402台、中型トラック・バス(カテゴリー4)は0.1%増の1,525台、大型トラック・バス(カテゴリー5)は5.7%増の387台だった。

メーカー別では、トヨタモーター フィリピンズ(TMPC)の販売台数は7万7,194台となり、市場シェアは46.47%。次いで、三菱モーターズ フィリピンズの3万0,200台(シェア18.18%)、フォード モーター フィリピンズの1万1,108台(同6.69%)、日産フィリピンズの1万0,808台(同6.51%)、ホンダカーズ フィリピンズの7,340台(同4.42%)、スズキ フィリピンズの7,050台(同4.24%)。

上記の販売台数や前年同期比などは、工業会加盟企業ベースの数値であり、CAMPIを脱退している韓国系の現代アジア・リソース(HARI)分などを含まないベースである。グティエレスCAMPI会長は、「上向きの業績がCAMPI・TMA加盟企業の2023年の目標販売台数である39万5,000台達成を楽観視させている。持続的な経済の向上が、消費者の信頼感を高め、さらに市況を改善する」と述べた。

 

 

フィリピン中央銀行(BSP)の最新データによると、2023年第1四半期末(3月末)のフィリピン銀行業界(商業・拡大商業・貯蓄銀行本体のみ)の車両(自動車・バイク)融資(MVL)残高合計は前年同期末比2.1%増の4,543億ペソとなり、7四半期連続で5,000億ペソを割った。自動車ローンは前期末(12月末)、前年同期末から増加したが、バイクローンは両期末から減少した。

総融資残高(TLP)に対する車両融資(MVL)残高比率は3.96%で、前期末から上昇したが、前年同期末からは低下した。車両融資残高に対する車両融資の不良債権(NPL)比率は7.89%で、2020年第2四半期(5.35%)以来11四半期ぶりの低水準となった。自動車融資の不良債権比率は7.30%と前期末及び前年同期末から改善。バイク融資の不良債権比率は15.19%と前期末の14.30%、前年同期末の12.46%から悪化し、2016年第2四半期末(16.07%)以降で最も高い水準となった。

 

 

その他の記事

フィリピン証券取引所(PSE)上場の食品・飲料企業の2023年第1四半期(1月~3月)の事業報告書発表が出揃った。上場7社やその傘下の主要企業の動向は表1のとおり。会計期末が4月のデルモンテ パシフィック(証券コード:DELM)は今回の集計から除外している。

フィリピン証券取引所(PSE)上場の民間銀行の2023年第1四半期の(1月~3月)事業報告書発表が出揃った。主要8行の動向は表1と表2のとおり(個別の詳細は別掲)であるが、新型コロナ対策としての外出・移動規制の大幅緩和、本格的経済再開を背景に総じて好業績となった。

フィリピン証券取引所(PSE)上場の不動産企業の2023年第1四半期(1月~3月)事業報告書が出揃った。それによると、新型コロナウイルス対策規制の大幅緩和や経済再開本格などにより、商業施設やオフィスの入居率が上昇、住宅事業も堅調、総じて回復ピッチが高まった。集計13社中、10社が増益(帰属純損益ベース、以下同様)、そのうち9社が二桁増益であった。

大手商業銀行であるメトロポリタンバンク&トラスト(メトロバンク、証券コード:MBT)グループの持株会社GTキャピタル ホールディングス(証券コード:GTCAP)がトヨタ車事業に注力してきた。GTCAPは、トヨタ自動車の製造・販売拠点であるトヨタモーター フィリピン(TMP)の株式保有比率を51%に高めたほか、有力販社であるトヨタ マニラベイ(TMBC)の58.05%を保有している。さらに、2014年9月には、トヨタ ファイナンシャルサービス フィリピン(TFSPC)株式40%を取得した。

ファーストフード・チェーン最大手のジョリビー フーズ(証券コード:JFC)は5月10日、2023年第1四半期(1月~3月)の決算速報を開示した。

フィリピン統計庁(PSA)によると、2023年3月の生産者物価指数(PPI、2018年=100)は98.1(速報値)で前年同月比2.6%上昇。16カ月連続で前年同月を上回ったが、前月(+3.6%)からは上昇ペースが減速した。そして、2021年12月の0.4%以来、15か月ぶりの低い伸びとなった。

フィリピン財務局は5月2日、2023年3月の財政収支が2,103億ペソの赤字となり、前年同月から赤字が12%拡大したと発表した。歳入が前年同月比12%減に対し、歳出が3%減にとどまった結果を反映している。第1四半期(1月-3月)累計では、2,709億ペソの赤字となったが、前年同期から15%縮小した。

フィリピンを代表するコングロマリットとなったサンミゲル(証券コード:SMC)グループでビール事業を担当するサンミゲル ブリュワリー(サンミゲル ビール=SMB、現在は非上場企業)の2023年(1月~3月)業績概況が発表された。なお、SMBにはキリン ホールディングス(キリン)が約48%出資している。

フィリピン証券取引所(PSE)上場の財閥系複合企業の2022年(1月~12月)の年次報告書発表がほぼ出揃った。ユーチェンコ財閥系のハウス オブ インベストメント(証券コード:HI)が提出期限延長申請中で、4月18時点で未提出となっている。

フィリピン証券取引所(PSE)上場の不動産企業の2022年年次報告書発表がほぼ出揃った(8990ホールディングス及びダブルドラゴンは年次報告書の提出期限延長申請中で現時点で未提出)。下表1のとおり、新型コロナウイルス対策としての外出・移動制限の段階的な緩和などにより、回復基調となった。

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