2023年7月17日
国内外の強力なネットワークや高度な誘致ノウハウで投資促進
三菱UFJ銀行(MUFG)、MUFGの持分法適用会社であるフィリピンの大手拡大商業銀行(ユニバーサルバンク)のセキュリティバンク(証券コード:SECB)、フィリピン投資委員会(BOI)の三者は、2023年6月15日付で日比間の投資誘致に係る覚書(MOU)を締結した。この3者は2018年1月にも同様なMOUを締結しているが、新型コロナ禍を経て、新たなMOU締結に至った。
<協定の概要>
・投資セミナーやビジネスマッチング等の協働開催、日系企業等への情報提供
・フィリピン産業の活性化や業界内での協業・業務提携関係の構築支援
・協業推進に向けた特命担当チームの編成
・戦略的投資優先計画(SIPP)などに基づくフィリピン投資推奨・促進
・フィリピン産業・企業、投資に関する法令などの情報交換
今回のMOUに基づきSECBは地場ネットワークを、MUFGはグローバルネットワークをベースに、それぞれの強みを活かしたパートナーシップを組成しフィリピン投資を促進する。2012年から2017年までMUFGマニラ支店の次長として日系営業やSBCへの出資プロジェクトに携わり、2021年から2度目のマニラ駐在で現在支店長を務める橋田武志氏は、「今回のMOUの締結は、MUFG・SECB両行が併せ持つ”Glocal”なネットワークに加え、BOIが有する投資誘致に係る専門性や高度な知見を取り入れることで、日系企業とフィリピン企業をよりしっかりと“繋げて”ゆくもの。各種セミナーやビジネスマッチング、パートナリングなど様々な工夫を施しながらその目的を実現させてゆきたい。今後も成長が見込まれるフィリピンで三者が一体となって活動することでフィリピンの成長に貢献してゆきたい」とコメントしている。
フィリピン政府も、2022年6月にCREATE法にて定めた税制上の優遇措置を提供する「戦略的投資優先計画(SIPP)」を発表。2023年2月にはマルコス大統領の来日時に、日本政府からの約6,000億円の円借款や、日本とフィリピンの企業・政府機関間で投資に関する35件の基本合意や覚書を締結。日本からの投資誘致に対して積極的な姿勢を見せている。
MUFGは、フィリピンをはじめとするアジアでの様々な金融ニーズに対し、幅広いアプローチを行える体制を整え、アジアの成長を多角的に取り込むことに注力している。アジアを第2のマザーマーケットとするMUFGグループにとって、平均年齢が24歳と若い国であり、語学力に優れた安価の労働力な豊富で、将来にわたる高成長が期待されるフィリピンは重要な市場である。MUFGはフィリピンで、フルバンキング業務を展開するマニラ支店に加え、2016年4月には約900億円を投じSECBの約20%の株式を取得、2020年10月にはSECBの金融子会社であるSBファイナンスの実質子会社化、2023年6月には国際的コンシューマーファイナンスカンパニーであるオランダHome Credit社のフィリピン事業買収など、多種多様な金融商品・サービスの提供体制を構築している。
<SECBの概要>
セキュリティバンクは、フィリピンにおいて民間銀行として第8位の総資産規模(2023年3月末7,938億ペソ)を有する地場上場拡大商業銀行であり、フィリピン全土に約320支店を有し、個人から、中堅中小・大企業の顧客に対して、法人金融、消費者金融、投資、資産運用等の包括的な金融サービスを提供している。1951年5月8日に設立され、このほど設立72周年を迎えた。1995年6月8日にフィリピン証券取引所(PSE)に上場されている。
<投資員会(BOI)の概要>
BOIは、1967年、同国投資インセンティブ法の制定と同時に設立された貿易産業省管轄の外国投資誘致促進機関である。具体的には、投資優先計画(IPP)を策定するとともに、当該計画において指定された分野に投資する企業に対して、免税等各種優遇措置を付与するなど外国投資誘致政策を担っている。